タイトル | 十勝地域における条間12cm帯状条播による秋まき小麦「ホクシン」の安定多収栽培技術 |
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担当機関 | 十勝農試 |
研究期間 | 2000~2005 |
研究担当者 |
竹中秀行 浦谷孝義 稲野一郎 沢口敦史 佐藤康司 三木直倫 飯田修三 南忠 平石学 稲津修 内山誠一 桃野寛 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 十勝地域の乾性土壌において、条間12cm帯状条播により、秋まき小麦ホクシンの収量は、30cm条播よりも約10%増を見込むことができ、品質は維持される。10%の増収によりハローなしの条間12cm帯状条播機では、作付面積4ha以上であれば30cm条播よりも60kg当たり生産費を低減できる。 |
キーワード | 秋まき小麦、ホクシン、栽植様式、収量、品質、生産費、条間 |
背景・ねらい | 十勝地域で多く用いられている条間30cm播種幅10cm条播に対し、小麦群落としてより受光態勢が良好と考えられる条間12cm播種幅6cmの帯状条播機(ハローつき、ハローなし)の現地導入試験により、栽植様式の変更が秋まき小麦「ホクシン」の生育・収量および品質に及ぼす影響を明らかにするとともに、技術導入による経済効果を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1.供試機は条間12cm帯状条播機(ハローつき、ハローなし)と対照の条間30cm条播機である。12cm帯状条播機は施肥装置を持たず、ブロードキャスタによる別作業となる。ハローつきではプラウの代わりにチゼルプラウを用いて砕土同時播種を行う。条間30cm条播機は施肥同時作業である(図1)。 2.十勝地域の異なる土壌タイプの複数圃場において、平成13播種年度から平成16播種年度にかけて実施した同一圃場内の比較によれば、乾性土壌(褐色森林土11圃場、褐色低地土1圃場)において、条間12cm帯状条播による精麦収量は、対照の30cm条播よりも約10%多く、湿性土壌(多湿黒ボク土6圃場、泥炭土2圃場、灰色低地土2圃場)においては対照区よりも低収となる事例が多い。また、子実蛋白含量、フォーリングナンバー、灰分、容積重は対照区よりも劣ることはない(図2、表1)。 3.機械投資額は、条間30cm条播が約148万円、条間12cm帯状条播種機(ハローなし)が224万円、条間12 cm帯状条播種機(ハローつき)はチゼルプラウとあわせて357万円(うち、播種機294万円)である。10a当たり生産費は、作付面積が大きいほど低下するが、条間30cm条播<条間12cm帯状条播(ハローなし)<条間12cm帯状条播(ハローつき)の順は変わらない。60kg当たり生産費は作付面積が大きいほど低下し、条間12cm帯状条播(ハローなし)では4ha程度で条間30cm条播と同等になり、これ以上では低くなる。十勝地域の乾性土壌に立地する畑作経営では、秋まき小麦(ホクシン)の作付面積が4ha程度以上であれば、従来と同じ作付面積でもより生産費を低減できる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.十勝地域の乾性土壌におけるホクシンの安定多収技術として利用可能である。 平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名及び区分課題名「十勝地域における帯状条播機導入による秋まき小麦「ホクシン」の安定多収栽培技術」(指導参考) |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 安定多収技術 経営管理 小麦 施肥 多収栽培技術 播種 |