タイトル |
サイレージ用トウモロコシ一代雑種の新親品種自殖系統「Ho102」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
1997~2007 |
研究担当者 |
濃沼圭一
三浦康男
榎宏征
佐藤尚
三木一嘉
斎藤修平
高宮泰宏
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発行年度 |
2007 |
要約 |
サイレージ用トウモロコシの親自殖系統「Ho102」(エイチオーヒャクニ)は、極晩生のデント種で、耐倒伏性とすす紋病抵抗性が強く、組合せ能力が高く、採種性に優れる。一代雑種品種の親系統として利用できる。
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キーワード |
トウモロコシ、自殖系統、デント、耐倒伏性、すす紋病、採種性、飼料作物育種
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背景・ねらい |
わが国の栽培環境への適応性の高いトウモロコシの優良F1品種を育成するためには、優秀な親自殖系統の育成が不可欠である。生育期間中の積算気温が制約される北海道では地域ごとに黄熟期刈りの可能な熟期別の優良品種が必要であり、晩生品種の親系統については病害抵抗性や耐倒伏性に優れ、かつ採種性の高い系統が求められている。そこで、これらの特性に優れるデント種の極晩生自殖系統を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- デント種自殖系統間の交配組合せ(Na7×Mi29)×Mi29 を母材とし、病害抵抗性、耐倒伏性、雌穂特性などについての選抜と自殖により育成した自殖系統である。
- 早晩性は“極晩生”に属する(表1)。
- 初期生育は“やや良”、稈長は平均的で着雌穂高はやや低く、稈径は平均的である(表1)。雄穂長および枝梗数は平均的である。雌穂は粒列数が平均13.6列で(表1)、先端円錐型である。子実は橙色で方形である。
- 採種性は、放任受粉下での採種量が実収量で55.5 kg/a、F1採種栽培での種子親としての利用を想定した雌雄畦比3:1換算で41.6 kg/aと高い。花粉飛散程度は“やや良”である(表1)。
- すす紋病抵抗性は“強”、ごま葉枯病抵抗性は“弱”である。黒穂病抵抗性は“強”である。耐倒伏性は“強”である(表2)。
- 本系統を片親とする単交雑F1組合せの平均乾物収量は、同熟期の普及品種に近い水準にあり、組合せ能力は高い(表3)。本系統を種子親に用いて育成された単交雑F1系統「北交65号」は、普及品種「35G86」並の熟期で、「35G86」と比較して乾物収量はやや低いが、TDN含量が高く、初期生育、耐倒伏性、すす紋病抵抗性等に優れる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- サイレージ用トウモロコシF1品種の親系統として利用できる。
- ごま葉枯病抵抗性は弱いので、単交雑F1育成時の交配相手には本病抵抗性の強い系統を用いることが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
ごま
受粉
飼料作物
抵抗性
とうもろこし
病害抵抗性
品種
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