畑作酪農地帯における畑作受託による酪農コントラクターの運営安定化対策

タイトル 畑作酪農地帯における畑作受託による酪農コントラクターの運営安定化対策
担当機関 道立十勝農試
研究期間 2007~2008
研究担当者 山田洋文
発行年度 2008
要約 十勝管内A町農協コントラクターは、飼料作に加えて畑作からの受託を行うことで年間作業量の平準化を可能にするとともに、採算性を高めている。こうした展開には関連部署との連携に加え、作業精度向上、適期作業および運営上のリスク対策が不可欠である。
キーワード コントラクター、畑作、酪農、運営安定化対策
背景・ねらい
    北海道の畑作酪農地帯では、深刻化する労働力不足への作業支援が求められており、畑作と酪農に対応するコントラクターの安定的な運営が課題である。そこで、A町農協コントラクターにおける畑作受託の効果と取組みを明らかにし、運営安定化対策を提示する。
成果の内容・特徴
  1. A町農協コントラクターは、平成13年に酪農家の粗飼料収穫の支援を目的に新設され、平成8年から農産部で実施していた豆類収穫の受託を継承した。平成19年時点では、オペレーター6名体制で、粗飼料・豆類収穫の他に耕起、融雪剤散布、除礫および野良芋対策の除雪作業を受託している。
  2. 平成19年時点の受託面積は2,222ha(うち畑作は1,531ha)となっている(表1)。このうち、豆類収穫は264ha(畑作受託面積の17%)に達しており、拡大傾向にある。作業時間とその変動係数をみると、畑作受託を行うことで、年間作業量の確保と平準化を可能にしていることがわかる。また、コントラクターの当期純損失は減少傾向にあり、採算性が高まっている。これには、売上高の増加がプラスに作用しており、特に、豆類収穫割合の高まりに起因して、畑作部門の平均単価が増加したことが影響している(表2)。
  3. A町農協コントラクターでは、畑作受託に取組む際に、農業経験者を採用することで、作業への即応性を高めるとともに作業精度向上を可能にしている。また、作物毎に委託とりまとめ期日を設定し、酪農との競合を避けた作業計画を策定するとともに、粗飼料と豆類の収穫作業の計画策定や実施場面では、農協内の関連部署と連携を維持している。特に、大豆の収穫場面では作業計画の策定、収穫適期の判断、収穫時の品質評価において農産部穀類課と連携し、適期作業や品質向上を可能にしている(図1)。さらに、堆肥関連作業や基盤整備作業は、委託希望をとりまとめることで、農協外の建設会社と連携し、過剰な資本装備を回避するといったリスク対策をみせている。
  4. A町農協コントラクターの運営安定化に向けた取り組み実態をもとに、農協営コントラクターが畑作の受委託体制を稼働させる際の運営安定化対策を表3のとおり整理した。畑作受託の課題である作業精度向上、適期作業、運営上のリスク回避に対する運営安定化対策が不可欠である。さらに、こうした対策による効果を継続的に発現させるために、受託作業に関するコントラクターの運営方針を明確にした上で、受託量の事前予測を徹底し、経営資源に基づいて作業計画を再構築する必要がある。

成果の活用面・留意点
  1. 畑作受託に取組む際には、土壌伝染性病害虫の拡散防止対策を徹底する。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「畑作酪農対応型コントラクターにおける畑作受託の効果と運営安定化対策」(指導参考)
図表1 213976-1.jpg
図表2 213976-2.jpg
図表3 213976-3.jpg
図表4 213976-4.jpg
カテゴリ 害虫 経営管理 コントラクター 大豆 乳牛

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