タイトル |
脂肪酸カルシウム添加飼料による早期離乳和子牛の発育 |
担当機関 |
新潟県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
早期離乳した黒毛和種子牛へ脂肪酸カルシウムを添加した飼料を給与した。脂肪酸カルシウムを給与した子牛は給与しない子牛に比べ増体が良好であった。
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背景・ねらい |
繁殖農家の子牛生産コストを低減させるには1年1産が必要であるが、母牛の分娩間隔を短くする方法の一つとして子牛の早期離乳が考えられる。しかし、その場合、離乳後の子牛の発育停滞が懸念される。そこでバイパス油脂である脂肪酸カルシウムの飼料中への添加が、成長促進に与える効果について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 子牛の日齢が5週齢以上かつ体重60kg以上に到達次第、1週間の制限哺乳を行った後、離乳した。離乳後の飼料は人工乳(TDN 77%)、市販育成配合(TDN 70%)、チモシー乾草であり、脂肪酸カルシウム(パーム油由来:TDN 170%)給与区は全給与飼料の5%を濃厚飼料と代替給与した。
- (1) 脂肪酸カルシウムを添加給与した区は雌雄ともに離乳後の増体が無給与区に比べ良好であった(表1)。
- (2)に雄子牛は各測定部位において脂肪酸カルシウム給与区が無給与区よりも若干良い傾向にあった(表2)。
- (3) 1日当たりの平均飼料摂取量およびCP摂取量においては処理区間に大きな差はなかったが、TDN摂取量は脂肪酸カルシウム給与区で多くなった(図1)。
- (4) 血液成分は総コレステロール値において脂肪酸カルシウム給与区で高くなったが、これは添加した脂肪の吸収によるものと考えられた(図2)。またその他の項目(Alb、T-pro、BUN、Glu、GOT、GPT、Ca)については差はなかった。
- (5) 第一胃内pHおよびVFA組成においては処理区間に差はなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- (1) 早期離乳した子牛だけでなく母牛の乳量が少ない子牛の発育改善にも活用できる。
- (2) 脂肪酸カルシウム給与区においては腹囲の増加が多かったが、これは油脂を添加した飼料がルーメン内での滞留時間を延長させていることも考えられるので、飼料の消化速度についてもさらに検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
繁殖性改善
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