タイトル |
牛核移植におけるレシピエント卵子の成熟条件及び発生培養条件の改善 |
担当機関 |
富山県畜産試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
牛体外成熟卵子の成熟培地にヘペス緩衝液は不要である。牛初期胚割球の核移植において、ドナー細胞としての体内由来胚及び体外由来胚による発生率の違いは認められず、発生培養液にリノール酸アルブミンを添加した場合に核移植胚の発生が良好である。
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背景・ねらい |
牛核移植胚の作出には除核操作、活性化、細胞融合と発生培養という複雑な行程を経るため、より良質な移植可能胚を大量に作出するためには1つ1つの処理を確実に行うことが必要である。そこで、牛卵子の成熟培養とドナー細胞の由来、発生培養の条件について検討した。
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成果の内容・特徴 |
レシピエント卵子は一次極体を放出した成熟培養22時間目の牛卵子を除核したものを用い、成熟培養開始24時間目にCaイオノフォア(5μM)で5分間、その後10μg/mlシクロヘキシミド-5%CS加TCM199中で6時間活性化処理した。ドナー細胞には発生5日目の初期胚を用い、分離した割球を2.5μg/mlサイトカラシンD-10μg/mlシクロヘキシミド-5%CS加TCM199中でレシピエント卵子に注入した。細胞融合は成熟培養30時間目にZimmerman細胞融合液中で50V、50μ秒×2回で行い、融合した核移植胚はCO2インキュベーターで体外培養した。
- 牛卵子の成熟培養にTCM199(ヘペス不含)と、25mMヘペス緩衝液を含むTCM199を用いたところ、TCM199のみの区で一次極体の放出時間が早くなる
(表1)。
- ドナー胚として体外由来胚(5日目)と体内由来胚(5日目)を用いた場合、融合率および発生率に差があるとは言えない(表2)。
- 核移植胚の発生培養にCR1aa+5% CS(Day0-7)を用いたCS区よりもCR1aa+0.25mg/mlリノール酸アルブミン+3mg/ml脂肪酸フリーBSA(Day0-3)→CR1aa+リノール酸アルブミン0.25mg/ml+5%CS(Day3-7)を用いたBSA-LAA区の方が発生率が高く、CS添加培養液よりも本法による培養が有効である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 牛核移植胚の効率的な作出に有効である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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