タイトル |
血液生化学自動分析装置による牛乳中尿素態窒素量の測定法 |
担当機関 |
福井県畜産試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
血液生化学自動分析装置によって、牛乳中尿素態窒素量を全乳の状態で簡便に測定可能である。全乳中尿素態窒素量の測定可能期間は室温で24時間、冷蔵で7日間である。更にアジ化ナトリウムを添加することによって室温で6日間、冷蔵では50日間に延長できる。
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背景・ねらい |
近年、牛乳中の蛋白質と尿素態窒素(MUN)の関係から給与飼料の適否を評価することが認識されている。MUNの測定には中赤外線を利用した方法や、従来の脱脂乳を吸光度法で測定する方法があるが、より簡便な血液生化学自動分析装置(以下ドライケム,FUJIFILM社 FDC3000)による測定の可能性を検証するために、測定法および乳汁状態別のMUNを比較し、さらに乳汁の保存条件についても検討する。なお、ドライケムは比色法に必要な一切の試薬を一体化したスライドを用いて検定する装置である。
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成果の内容・特徴 |
- ドライケムと吸光度法による脱脂乳のMUN値は、測定値間に相関係数0.971の有意な相関が認められる
(図1)。
- ドライケムによる全乳と脱脂乳のMUN値は等しく、測定値間に相関係数0.999の有意な相関が認められる(図2)。
- 全乳の室温保存(18~25℃)では採取24時間以降MUNが低下したが、アジ化ナトリウム添加(0.4mg/ml)により6日目まで変化は認められない(図3)。
- 冷蔵保存(5℃)では8日目以降上昇したが、アジ化ナトリウム添加により50日目まで変化は認められない(図4)。
以上のことから、ドライケムによって前処理なしで牛乳中尿素態窒素量を簡便に測定することが可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 1検体当たりの測定時間は1.5分、資材費は150円である。
- アジ化ナトリウムの保存には注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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