タイトル |
水稲群落の植被率連続計測システム |
担当機関 |
水田利用部 |
研究期間 |
2000~2002 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
直上から撮影した水稲群落の投影面積の撮影面積に占める割合(植被率)を、稲の位置情報を付加しながら連続的に測定するシステムである。本システムは、局所栽培管理のための生育情報収集手段として利用できる。
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背景・ねらい |
水稲の生育量を知るために、現状では、草丈、茎数等を圃場内で人力調査したり、抜き取り調査により乾物重や葉面積指数等を求める方法が採られているが、低能率であるため測定点数は限られる。また、抜き取り調査の場合は、同一個体の追跡調査ができない欠点もある。そこで、先に開発した圃場面画像マッピングシステム(平成11年度成果情報)を利用して植被率を測定する手法を開発し、高能率で非接触の生育量測定技術の確立を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムは、生育過程における水稲を直上から移動撮影(図1)してマップ化し、画像解析により植被率を一括計測するシステムである。画像及びGPSからの位置情報の入出力制御、並びに画像のマップ化は、先に開発した圃場面画像マッピングシステム(平成11年度成果情報)を用いる。
- 視覚センサとして、植物体の抽出に適している近赤外波長のバンドパスフィルタを装着したモノクロビデオカメラを用いる。カメラ一台の検出範囲は凡そ2.5×2.2mである(図1)。
- 撮影終了後、画像情報データベースが作成され、原画像は位置情報に基づきマップ化さ
れる。さらに、原画像上に測定領域を設定すると領域内の稲体が抽出され(図2)、稲体面積(投影面積)の測定面積に占める割合(植被率)が自動計測される。図3は、長辺200mの圃場を、本システムにより2m間隔で撮影し植被率を求めた結果例であり、植被率の圃場内のバラツキを知ることができる。
- 植被率は、光合成の量的尺度を示す葉面積指数等と高い相関をもつので(図4)、本システムにより生育状態の評価や生育予測が面的に可能となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 局所栽培管理の基盤技術として活用できる。
- 原画像上の測定領域は、像高の違いによる計測誤差を少なくするため、カメラの直下付近を中心に設定する。
- 測定領域の設定法を含め、異なる試験データとの整合性を高めるため、撮影方法、画像解析方法、カメラの撮影面積等に関する規格化が必要である。
- 植被率と生育量に関するより詳細な情報は、平成12年度研究成果情報候補課題「植被率を利用した水稲群落の生育量の評価」参照のこと。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
栽培技術
GPS
自動計測
水稲
生育予測
測定技術
データベース
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