一般農場における豚ストレス症候群(PSS)原因遺伝子型の保有状況

タイトル 一般農場における豚ストレス症候群(PSS)原因遺伝子型の保有状況
担当機関 富山県畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 PCR-RFLP法によるPSSの原因遺伝子型診断を行ったところ、系統豚「タテヤマヨーク」維持種豚群からは検出されないが、一般農場では約半数の農場における種豚の約10%がPSSヘテロ型である。本遺伝子診断を種豚更新並びに交配指導に活用し、PSE肉の発生防止が可能となる。
背景・ねらい 常染色体劣性遺伝病である豚ストレス症候群(PSS)は、PSE肉(ムレ肉)の発生要因として、良質豚肉生産の妨げとなっている。これまで、PSSは育種現場においてハロセンテストにより排除されてきたが、PSSの原因が骨格筋リアノジンレセプター遺伝子内に起きた変異であることが明らかとなった。このことから、遺伝子診断により、従来のハロセンテストで検出できなかったPSSヘテロ型の識別も可能になった。
 そこで、生産現場における種豚および肉豚のPSS原因遺伝子型の保有状況について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ハロセンテストによりスクリーニングを行った系統維持種豚群では、PSS原因遺伝子は検出されず、全て正常豚である(表1)。
  2. 種豚からPSS原因遺伝子が検出された一般農場は、種雄豚で12戸中5戸、種雌豚で11戸中7戸と多く、そのヘテロ型保有率はそれぞれ9.4%、8.2%である。
      肉豚では、ヘテロ型が30戸中11戸の農場で、ホモ型が30戸中1戸で検出され、その保有率はそれぞれ6.1%、0.7%である(図1、表1)。
  3. 一般農場における種豚の主な品種別検出状況は、種雄豚でデュロック種7.1%、種雌豚では、ランドレース種18.8%、F1(LW)10.0%、F1(WL)4.9%、ハイブリット系7.4% がヘテロ型である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 生産現場におけるPSS原因遺伝子型診断によって、PSSヘテロ型の検出、排除が可能であり、系統豚「タテヤマヨーク」の利用などの交配指導を行うことにより、肉豚におけるPSE肉の発生を低減することができる。
図表1 214487-1.JPG
図表2 214487-2.JPG
図表3 214487-3.JPG
カテゴリ 育種 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる