東南アジアのマイコプラズマ様病原体のDNA検出法の開発

タイトル 東南アジアのマイコプラズマ様病原体のDNA検出法の開発
担当機関 国際農林水産業研究センター
研究期間 1993~1993
研究担当者 中島一雄
林 隆治
Witcha Chaleeprom
Pisan Sirithorn
Porntip Wongkaew
発行年度 1993
要約 東南アジアに発生しているゴマフィロディー、サトウキビ白葉病、イネ黄萎病の病原体であるマイコプラズマ様微生物(MLO)のDNAプローブを作成した。これらを用いることにより、迅速・確実にMLOを検出することが可能になった。
背景・ねらい タイ、ミャンマーで発生しているゴマフィロディー(図1)やタイ東北部のサトウキビ白葉病(図2)は、地域の農業に壊滅的な被害を与えている。イネ黄萎病(図3)はアジア各地に発生している。これらの病気は、マイコプラズマ様微生物(MLO)により引き起こされている。従来、これらの病原体を検出することは非常に困難であった。本研究では、MLOを迅速・確実に検出するため、DNAプローブを用いた検出法を開発することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. イネ黄萎病罹病植物から全DNAを抽出後、Bisbenzimide-CsCl 平衡密度勾配遠心にかけ、病原MLOのDNAを宿主植物のDNAから分離した。それを制限酵素 Hind Ⅲで分解後、プラスミド Bluescript に挿入し、大腸菌 NM522に導入した。得られたクローンのうち、罹病植物のDNAと反応し、健全植物のDNAとは反応しないものを選抜した。それらの挿入断片にパーオキシダーゼを標識して、DNAプローブとした。
  2. MLOの染色体に由来するDNAプローブと染色体外DNAに由来するDNAプローブがとれた。作成したDNAプローブを用いることにより、MLO感染イネから、迅速・確実・高感度にMLOを検出できた(図4)。また、MLO媒介昆虫(ツマグロヨコバイ)1匹からでも、MLOを検出する感度を有していた。
  3. サトウキビ白葉病MLOとゴマフィロディーMLOにおいても、染色体由来・染色体外DNA由来のDNAプローブを作成することができた。
成果の活用面・留意点 これらのDNAプローブを用い、タイにおいても各病原MLOを検出することができた。本方法の適用により、ゴマフィロディー、サトウキビ白葉病、イネ黄萎病の病原MLOの媒介昆虫や中間宿主植物の解明、抵抗性品種の選抜等が容易になると思われる。
図表1 214518-1.jpg
図表2 214518-2.jpg
図表3 214518-3.jpg
図表4 214518-4.gif
カテゴリ さとうきび 抵抗性品種

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