タイにおけるトウガラシ及びウリ科野菜ウイルス病の実態解明と耕種的防除法の開発

タイトル タイにおけるトウガラシ及びウリ科野菜ウイルス病の実態解明と耕種的防除法の開発
担当機関 国際農林水産業研究センター
研究期間 1993~1993
研究担当者 野田千代一
Kruapan Kittipakorn
Pan Inchan
Nualchan Deema
Laksna Wannapee
発行年度 1993
要約 タイのトウガラシとウリ科野菜に発生する重要ウイルス病の種類 (チリヴェイナルモットル、キュウリモザイク、パパイヤ輪紋、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス)と性質を明らかにし、抵抗性品種のスクリーニングとともに、スキムミルク及びシルバーマルチ等を用いての耕種的防除法の開発を行った。
背景・ねらい タイでは近年、野菜などの生鮮食料に対する需要が急激に増大しているが、一年を通じて発生するウイルス病のため、その安定的供給が大きく阻害され、現地では病害防除の目的で様々な農薬を過剰に使用する傾向がある。本研究ではトウガラシとウリ科野菜に焦点をしぼり、発生ウイルスの種類、分布、生態を明らかにするとともに農薬に頼らない防除の可能性を追求した。
成果の内容・特徴
  1. 1380個体のトウガラシ葉及び635個体のウリ科野菜葉試料を調査したところ、チリヴェイナルモットルウイル(CVMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)、パパイヤ輪紋ウイルス(PRSV)が高率に発生し、タイ全土に被害を及ぼしていることを明らかにした。
  2. CVMV,CMV,PRSV及びズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)を分離し諸性質を決定した。特に激しい病徴を呈すZYMVが分離・同定されたのは、タイではこれが最初である(写真1)。
  3. 各分離ウイルスの粒子に対する抗血清を家兎で作製した。
  4. 32品種のトウガラシのうち VC16a と Kheenoo Ubon が、また8種類47品種のウリ科野菜のうちPollekキュウリが重要ウイルス病に抵抗性を有すことを明らかにした。
  5. トウガラシウイルス病の耕種的防除試験を行った(殺虫剤散布は慣行農薬区のみ1週間おき、他は2週間おき)。スキムミルク散布区(2%,1週間おき10回散布)及びシルバーマルチ区(三層フィルム)でのウイルス病の発生は抑制され、収量も多かった(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 作製した抗血清は、タイ農業局に設置された血清銀行を通じて、タイ国内の希望者に分譲されている。
  2. 試験に用いた各種資材のほとんどは現地でも容易に入手できるので、安価で安全な防除法として一般農家への普及が期待される。
図表1 214523-1.gif
図表2 214523-2.gif
図表3 214523-3.jpg
図表4 214523-4.gif
カテゴリ 病害虫 きゅうり ズッキーニ 抵抗性 抵抗性品種 とうがらし 農薬 パパイヤ 品種 防除

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