アズキ亜属4倍体重Vigna glabrescensの遺伝的背景

タイトル アズキ亜属4倍体重Vigna glabrescensの遺伝的背景
担当機関 国際農林水産業研究センター
研究期間 1994~1995
研究担当者
発行年度 1994
要約 リョクトウの主要病害虫に抵抗性を示すアズキ亜属4倍体栽培種のVigna glabrescensは、4倍体野生種V.reflexo-pilosaの栽培型であり、2倍体野生種のV.trinervia(雌親)とV.minima(花粉親)がこれら4倍体種の両親種であると推定された。
背景・ねらい 東南アジアで進められているリョクトウの育種に、アズキ亜属内の近縁種を有効に利用するためには、それらのもつ遺伝的多様性、種間の類縁関係を明らかにする必要がある。4倍体種Vigna glabrescensはリョクトウの主要病害虫に抵抗性を示すが、2倍体であるリョクトウとの雑種は完全不稔となり後代が得られない。このため、V. glablescensのゲノム構成を2倍体レベルで明らかにすることによって、リョクトウ育種のための遺伝子給源を拡大する。
成果の内容・特徴
  • マレー半島でアジア産ササゲ属野生種の探索を行い、2倍体種Vigna trinervia(70点)及びV. minima(1点)、4倍体種V. reflexo-pilosa(16点)を収集した。これらの野生種及びこれまでに収集した近縁種の発芽種子抽出物を用いて電気泳動を行い、アイソザイムのバンドパターンから、V. trinerviaとV. minimaは、異質4倍体V. glabrecens及びV. reflexo-pilosaの両親種である可能性が高いことを明らかにした(図1)。
  • V. reflexo-pilosa、V. glabrescens両種間の正逆交雑により、発芽力のある雑種種子が容易に得られた(表1)こと、また、この両種が形態的にもよく類似していることから、V. glabrescensは野生種V. reflexo-pilosaの栽培型であると推定した。
  • V. trinerviaとV. minimaの交雑は、V. trinerviaを雌親とした場合にのみ成功した。着莢率は3.5%と低かったが、発芽力のある種子が得られた(表1)。このことから、4倍体種の成立に関して、V. trinerviaは雌親として関与したと考えられる。
以上の結果からアズキ亜属4倍体種の系統分化を図2のように推定した。
成果の活用面・留意点 収集した2倍体野生種V. trinerviaは、遺伝的な変異に富むとともに、リョクトウの野生型V. radiata var. sublobataとの交雑でも発芽力のある雑種種子が得られることから、リョクトウ育種の遺伝子給源として有望と考えられる。
図表1 214528-1.gif
図表2 214528-2.gif
図表3 214528-3.gif
カテゴリ あずき 育種 害虫 ささげ 抵抗性

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