タイトル |
DNAマーカーを用いた種畜の遺伝能力推定法 |
担当機関 |
国際農林水産業研究センター |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
富樫研治
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発行年度 |
1995 |
要約 |
家畜疾病や乳生産などの生産性に対する遺伝能力の推定にDNAマーカーを用いる手法を開発した。開発した手法の有効性を遺伝率、形質に関与する遺伝子数および推定に用いるDNAマーカー数をもとに吟味した。
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背景・ねらい |
トリパノゾーマの多様に変化する表面蛋白、乳量等の生産形質に関与する遺伝子の解明の過程において、遺伝子に近接したDNAマーカーとしてマイクロサテライトDNAが発見されてきた。従って、遺伝子そのものは同定できなくともマイクロサテライト等のDNA情報を利用してDNAレベルで直接的にトリパノゾーマ症や乳生産に及ぼす遺伝的影響の大きさや種畜の遺伝能力を推定する手法を開発する必要がある。
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成果の内容・特徴 |
- DNAマーカー座位がヘテロになっている種雄牛において、DNAマーカーがトリパノゾーマ症や乳生産性に与える遺伝的影響の大きさ(効果)を推定する 手法を開発した。
- 開発した手法をもとに形質の遺伝率(0.2, 0.4),形質に関与する遺伝指数(60,90),推定に要したDNAマーカー数(全部、上位30)の3つの要因を設け、DNAマーカー効果の真値と開発した手法から得られた推定値との相関係数を求めた(表1、表2)。その結果、遺伝率が増加するにつれて相関関係はわず かに増加した。一方、DNAマーカー全部を用いた場合の相関係数は0.5062~0.6667であったが、DNA効果の大きい30のマーカーを選んで推定した場合の相関係数は0.6370~0.8177と大きく増加した。従ってDNAマーカーを用いた推定では効果の大きいマーカーを選んで遺伝能力を推定するべきことが認められた。
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成果の活用面・留意点 |
国際家畜研究所(ILRI)では、トリパノゾーマ抵抗性遺伝子に隣接するDNAをすでに明らかにしている。従って、実際に報告されたDNAマーカーをもとに、抵抗性牛と感受性牛を使って本手法の適用が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
DNAマーカー
抵抗性
抵抗性遺伝子
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