地図情報処理による土地荒廃危険度の評価手法

タイトル 地図情報処理による土地荒廃危険度の評価手法
担当機関 国際農林水産業研究センター
研究期間 1995~1995
研究担当者 山本由紀代
藤田晴啓
Gustav Gintzburger
発行年度 1995
要約 資源マップデータベースおよびニューラルネットワークにより土地荒廃因子を学習するモデルを構築し、荒廃危険度を地図情報により評価した。
背景・ねらい 植生後退・土壌浸食等の土地荒廃を回避し、サステナブルな土地利用計画・資源管理対策に資するため、ニューラルネットワークによる土地荒廃危険度の評価手法を危険度が高い農耕限界乾燥地域へ応用した。
成果の内容・特徴
  1. 北東シリア・アブダルアジズ山地周辺地域「資源マップデータベース」から任意の214地点における「土地荒廃の程度」、「荒廃の影響を受けた広がり」標高、傾斜、斜面方位、土壌、植生の情報を抽出し、一定の基準に従って規格化したデータセットを作成した。
  2. それぞれの地点毎にニューラルネットワーク(NEUR092)に学習させることにより、標高、傾斜、斜面方位、土壌および植生被度から土地荒廃の「程度」および「広がり」を推定するモデルを構築した。(図1)
  3. モデルの信頼性を検証した結果、土地荒廃の「程度」については86%「広がり」については79%の正答率で推定できることが示された。
  4. 土地荒廃の「程度」および「広がり」を数値演算することにより「土地荒廃の危険度」を得た。危険度が高く評価された地区の分布特性は礫を多く含む土壌型に特異であったことにより、礫の含有率が土地荒廃、特に降雨による土壌浸食に影響を及ぼすと推測された。
  5. GPSを用いた現地検証では、危険度が高く評価された山地の北側前山から平野部に移行する地区では全域にガリー浸食が多く出現し、評価手法の妥当性を示したが、南側では危険度の高さを現場で確認することができなかった。(図2)
  6. 地図情報処理とニューラルネットワークを融合させて土地荒廃を評価する初めての手法となった。
成果の活用面・留意点
  1. マップデータベースに含まれる資源の利用情報(放牧、樹木伐採、耕作)を説明要因に含めることにより、より現実に近い環境資源評価が可能となる。
  2. 資源マップデータベースの更新、気象情報の入力が必要である。
図表1 214554-1.gif
図表2 214554-2.jpg
カテゴリ 乾燥 GPS データベース

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