衛星データ等の地理情報による西ジャワ州傾斜畑地域土壌侵食危険度図の作成〔研究〕

タイトル 衛星データ等の地理情報による西ジャワ州傾斜畑地域土壌侵食危険度図の作成〔研究〕
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2001~2002
研究担当者 Dwi Kuntjoro(インドネシア土壌農業気象開発研究所)
Sofyan Ritung
内田諭
発行年度 2002
要約 が降る年があるが、この時期に裸地状態としないことにより、土砂が大量に流出することを抑制することができる。国際農林水産業研究センター・国際情報部
背景・ねらい インドネシア西ジャワ州の高原地帯には、傾斜面上に開墾された畑が広く見られる。ここでは、年2回または3回の耕作が行われているが、10月~4月の雨季を中心に短時間に激しい雨が降り、地表面の土壌が侵食される。土壌侵食の程度に影響を与える因子は、降雨・地形・土壌・地表面状態・土地保全形態等であり、リモートセンシングデータを含む地理情報を収集して、これらの分布状態を調べ、土壌侵食の危険度を評価するための手法を開発する。さらに、降雨特性を解析し、作付時期により土壌侵食の危険度がどのように変化するかを調べ、大量の土砂流亡を抑制するための方法を検討する。

成果の内容・特徴
  1. 標高1200m程度の地帯に位置し、温帯野菜が広く栽培されている西ジャワ州バンドン県ランゲンサリ村を対象地域とし、USLE(Universal
    Soil Loss Equation)式を適用した土壌侵食危険度評価手法を開発する。
  2. 自記雨量計を設置し、降雨特性の解析から日雨量と降雨エネルギーとの関係を見出し、1990年以降の日雨量データを用い降雨係数値の月別データを作成し、経年変動特性を解析する。
  3. 2万5千分の1地形図を基に5mメッシュのデジタル標高データを作成し、傾斜斜面長係数値を算定する。
  4. 2月、6月、12月に観測された衛星データを用い、作付時期・年間作付回数の異なる4類型の農地を判別し、各類型における植被状態の変化を想定した月単位の作物管理係数値分布データを作成する。
  5. 土壌侵食を抑制するための段畑が整備されている場合には、空から写した画像上で規則的な縞模様が表れる。その状態が画像のテクスチャ特徴量である“Variance&と”Entropy&の値に反映していることから、リモートセンシングデータの画像解析を行い、保全係数値分布データを作成する。
  6. 乾季から雨季への移行期である9月は、降雨が無い年もあれば、豪雨に見舞われる年もあり、土壌侵食に寄与する降雨係数値の経年変動が大きい(図1)。
  7. 1990年~2000年の降水量データを用い、月単位の流亡土量を計算し、年間推定量の平均値で表した土壌侵食危険度が高い地域を地理情報として表すことができる(図2)。
  8. 本手法は、様々な土地利用形態を仮想した場合の土壌侵食危険度を評価することが可能である。全ての農地で年3回同じ時期に作付けられるパターンを想定すると、9月に播種され、その時期が裸地化する場合(パターン1)には、流亡土量の多い年における土壌侵食の加速効果が顕著であり、9月の植被率が高い場合(パターン3)には抑制効果が顕著である(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 作物の適地性、経済・経営的条件を地理情報として整備することにより、土地利用計画支援システムの構築が可能である。
  2. 算定される流亡土量は、地表面の微小な性質や斜面上部からの土砂流入効果を考慮していないので、実際の量よりは概して過大であり、本手法は地域間比較や土地利用変化による効果等の評価に適用される。

カテゴリ 経営管理 播種 リモートセンシング

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