マンゴーおよびその近縁種の遺伝的多様性と類縁関係

タイトル マンゴーおよびその近縁種の遺伝的多様性と類縁関係
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2002~2002
研究担当者 Masrom Hasran(マレーシア農業研究開発研究所)
坂智広
山中直樹
常松浩史
発行年度 2003
要約 Mangifera 属ならびにそれらの類縁関係を明らかにできる。また同じ手法によってMangifera 属における高精度のが可能である。
背景・ねらい マレー半島、ボルネオ島、スマトラ島などを中心とした東南アジアから南アジアに多く分布するMangifera 属のマンゴーおよびその近縁種は、この地域の重要な商用作物であり、それらの遺伝資源活用と新品種育成が求められている。しかしながら、これまでの形態形質に基づくMangifera
属の種・品種の分類では類縁関係を正しく把握できなかったため、その遺伝的多様性に関する基礎情報が整備されていない。そこで、Amplified
Fragment Length Polymorphism(AFLP)法を利用したDNA マーカー情報によってMangifera
属の遺伝的多様性について調べ、品種群を分類するとともに、その類縁関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 東南アジアと南アジア原産のMangifera 属35 品種は、8 プライマー組合せを用いたAFLP 分析(図1)により、基本的に従来の分類学上のMangifera
    属の4 つの種、M. caesia Jack、M. foetida Lour.、M. odorata
    Griff. およびM. indica L. に分類できる(図2 )。
  2. M. odorata Griff. 種内の遺伝的多様性は他の3 種と比較して極端に低く、またこの種の7 品種は279のAFLP
    バンドについて全て同一型を示す。
  3. M. caesia Jack は他の3 種と遺伝的に遠縁である。
  4. M. indica L.在来品種Mi3 は、M. indica L.他の品種と遺伝的に遠縁であり、むしろM.
    odorata Griff. に近縁である。
  5. M. caesia Jack在来品種Mc5 は、M. caesia Jack に分類されているが、他の5
    品種とは遠縁である。
  6. Mangifere 属の4 種35 品種について、極めて近縁なM. odorata Griff.
    の7 品種を除くと、AFLP 分析によって迅速かつ高精度の品種識別が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 更に多くのMangifera 属の遺伝資源を用いてAFLP 法による遺伝的多様性やそれらの類縁関係について網羅的に解析する必要がある。
図表1 214591-1.gif
カテゴリ 遺伝資源 新品種育成 DNAマーカー 品種 マンゴー

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