中国における発酵型ビーフンの物理化学特性

タイトル 中国における発酵型ビーフンの物理化学特性
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2001~2003
研究担当者 斎藤昌義
辰巳英三
李里特
魯戦会
閔偉紅(中国農業大学)
発行年度 2003
要約 原料インディカ米をする。
背景・ねらい 中国南部では様々な種類のビーフンが伝統的手法を用いて作られている。中でも、原料米を水に長時間浸漬すると発酵が起こりビーフンの物性が向上することが知られている。中国の発酵型ビーフン以外にも、澱粉性食品を発酵させて物性を改変する手法が世界各地の伝統食品に用いられている。しかし、これら加工方法の実体には不明な点が多く残されている。そこで原料米の発酵過程において原料米の物理化学特性がどのように変化するか明らかにする。
成果の内容・特徴
原料米(中国産インディカ米:中早1 号、アミロース含量26.1%)を35 ℃で27 時間自然発酵させ、これを粉砕して得られる米粉及びビーフンの物理化学特性の変化は以下の通りである。
  1. 発酵終了時において浸漬水のpH は4 に減少し(図1 )、生成する主要有機酸は乳酸である。
  2. 発酵過程で増殖する主要微生物は乳酸菌類であるが、酵母類の増殖も観察される。
  3. 原料米の発酵により、ビーフンの破断応力は減少し、破断変位は大きく増加する(図2 )。
  4. 発酵により澱粉(アミロース)含量に顕著な差は認められないが、脂質・タンパク質・灰分が減少する。また、脂質の分解物である遊離脂肪酸含量は発酵中期で増加後、後期において減少する(図3
    )。遊離脂肪酸分解物が発酵型ビーフンの不快臭の原因物質(アルデヒド・ケトン類)になる可能性があり、その制御が重要である。
  5. 示差走査熱量測定装置(DSC)による発酵澱粉の糊化温度は低下する(図4 )。ラピッドビスコアナライザー(RVA)分析の最高粘度、最低粘度、最終粘度が低くなり、発酵によって原料米の澱粉に特異的な糊化特性が与えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 東南アジア地域には類似の発酵型ビーフンが伝統的に製造されている。また、小麦・キャッサバ・トウモロコシ等を用いた発酵性食材が世界各地で伝統的に製造されている。これら発酵性澱粉食品においても、本成果と類似の物理化学特性の変化が起こっていると考えられる。
カテゴリ 加工 小麦 とうもろこし

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる