タイトル |
肥効調節型肥料の施用によりサトウキビの窒素施肥量を4 割節減できる |
担当機関 |
(独)国際農林水産業研究センター |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
芝野和夫
勝田義満
菅原和夫(農業環境技術研究所)
増田泰三(広島県立大学)
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発行年度 |
2003 |
要約 |
サトウキビの春植え栽培において、慣行栽培の追肥窒素分を4 割節減が高くなり、未利用分が慣行より著しく少なくなる。
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背景・ねらい |
我が国の亜熱帯島嶼地域では、地下ダムの硝酸濃度が8mg/L 前後で環境基準の10 mg/L に近く、河川の硝酸濃度も1 ~ 3 mg/L と高い。このような硝酸汚染は化学肥料、畜産廃棄物、生活排水などに起因すると考えられ、汚染軽減の対策技術の確立が求められている。そこで亜熱帯島嶼地域の基幹作物であるサトウキビ(全作付面積の約6 割)の国頭マージ土壌での栽培において、窒素肥料施用の省力化を図るとともに、利用効率を高めてその使用量の節減を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 肥効調節型肥料(以下LPS と略称)LPS100:溶出抑制期間;約30 日、溶出期間;後半70 日、80%溶出到達日数;約100
日)を使い、窒素施肥量を2 割及び4 割節減しても、サトウキビ(農林8号)の可製糖量は慣行区とほぼ同等であり、4 割まで節減の可能性が示唆される(表1 )
- 定植時LPS120 施用とポット苗作成時LPS160(溶出抑制期間;約80 日、溶出期間;後半約80 日、80%溶出到達日数;約160
日)施用の窒素溶出曲線が、仮茎長とよく対応していることから、ポット苗作成時に肥効調節型肥料をポットに施用する場合はLPS160 が適している(図1 )
- 15N 標識肥料窒素を用いて求めた施肥窒素の利用率は、LPS160・窒素4 割減区で39%と高く、慣行区では22%と低い。また、みかけの窒素利用率で比較すると、LPS160・窒素4
割減区は91%と高いが、慣行区で58%と低く、多量の未利用(残存、脱窒、溶脱等)の窒素が生じる(図2 )。
- 基肥硫安(6gN/m2)に加えてLPS160(6gN/m2)をポット苗作成時に施用し、全体として窒素を4 割節減しても、慣行と比べて可製糖量は減少しない(表2
)
- 圃場試験の精度を高めるために側枝ポット苗(容量200mlビニールポット、培地はバーミキュライト)を利用した圃場試験の結果である。
- 施肥コストを試算すると、慣行区の窒素施肥量が200 kg/ha で価格は29,750 円であり、同様にLPS・窒素4 割減区の窒素施肥量が120
kg/ha で38,640 円である。LPS・窒素4 割減区の方が約9,000 円/ha 高いが、追肥を省略することで労賃31,700 円/ha や燃料代5,680 円/ha を削減できる。
- 国頭マージ(沖縄支所内の黄色土畑圃場)における試験結果であるが、地下ダムの硝酸汚染が問題になる島尻マージを対象に本成果の活用が期待される。
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成果の活用面・留意点 |
- 圃場試験の精度を高めるために側枝ポット苗(容量200mlビニールポット、培地はバーミキュライト)を利用した圃場試験の結果である。
- 施肥コストを試算すると、慣行区の窒素施肥量が200 kg/ha で価格は29,750 円であり、同様にLPS・窒素4 割減区の窒素施肥量が120
kg/ha で38,640 円である。LPS・窒素4 割減区の方が約9,000 円/ha 高いが、追肥を省略することで労賃31,700 円/ha や燃料代5,680 円/ha を削減できる。
- 国頭マージ(沖縄支所内の黄色土畑圃場)における試験結果であるが、地下ダムの硝酸汚染が問題になる島尻マージを対象に本成果の活用が期待される。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
亜熱帯
コスト
栽培技術
さとうきび
省力化
施肥
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