イネの少分げつ性遺伝子の高精度連鎖解析

タイトル イネの少分げつ性遺伝子の高精度連鎖解析
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 1999~2010
研究担当者 Leodegario A. Ebron(国際稲研究所)
小林伸哉
藤田大輔(国際稲研究所)
福田善通
発行年度 2008
要約 イネ(Oryza sativa L.)品種合川1号の持つ低分げつ性に関わる遺伝子Ltnは、SSRマーカーssr6049-23とssr6049-2の間に位置しており、その候補領域は76.7kbpに絞られる。
背景・ねらい
 イネ(Oryza sativaL.)の分げつ性は収量と密接に関わるため、遺伝的改良の対象となる重要な形質であるとともに、植物の形態形成を理解する上でも重要である。わが国では、収量性改善のため低分げつ品種合川1号が育成されている。この低分げつ性は、単一の優性遺伝子(Ltn)に支配されており、第8染色体長腕上に位置することが明らかにされている。国際稲研究所では収量性の改善を目的に少分げつ型の品種の開発が行われたが、合川1号ほど少ないものは育成されていない。本研究では、熱帯地域における直播栽培等で利用可能な低分げつ品種を育成すべく、インド型品種IR64の遺伝的背景に少分げつの導入をはかる共に、マーカー選抜育種に必要な基礎情報を得るために、高精度連鎖解析によりLtnの詳細な位置を明らかにすることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. BC5F2集団94個体の連鎖解析において、Ltnは第8染色体上のSSRマーカーssr5816-3とA4765の間に位置しており、ssr5816-3とA4765、ssr5816-3とLtn、LtnとA4765の距離はそれぞれ6.9cM、1.7cM、5.1cMである(図1)。なお、集団の交配組合せはIR64/合川1号//IR64*5である。
  2. BC5F3集団3550個体を用いた高精度連鎖解析において、Ltnの候補領域はSSRマーカーssr6049-23とssr6049-2の間に特定され、日本晴塩基配列上では76.7kbpに絞られる(図1)。

成果の活用面・留意点
  1. 少分げつ性遺伝子Ltnの近傍に座乗するSSRマーカーの情報は、少分げつ性のマーカー選抜に利用できる。
  2. 育成されたインド型品種IR64を遺伝的背景に少分げつ性を導入した系統は、研究材料として熱帯でも活用できる。

図表1 214717-1.pdf
図表2 214717-2.gif
図表3 214717-3.gif
図表4 214717-4.gif
カテゴリ 育種 直播栽培 品種

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