タイ東北部における在来種育成牛の維持蛋白質要求量

タイトル タイ東北部における在来種育成牛の維持蛋白質要求量
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2006~2011
研究担当者 Annut Chantiratikul (マハサラカン大学)
Kungwan Thummasaeng (ウボンラチャタニー大学)
大塚 誠
発行年度 2008
要約 タイ東北部における在来種育成牛の維持に要する飼料中粗蛋白質含量は6.1%以下、粗蛋白質摂取量は4.38 gCP/kgBW0.75である。この要求量は、欧米系の肉牛(NRCの維持蛋白質要求量:飼料中含量7.2%、摂取量5.67 gCP/kgBW0.75)に比べ低い値である。
背景・ねらい
 熱帯地域のタイでは現在、牛の飼料給与に関しては寒地に適応した牛の蛋白質出納データによって作成されたNRC飼養標準等が利用されている。しかし、東南アジア等の熱帯地域では、寒地に適した欧米系肉牛とは異なる体格や生理機能を有し、暑熱環境に適したゼブ系肉牛が主に飼養されている。また、飼料も熱帯地域特有のものが多い。しかし、これらを実際に組み合わせて、家畜の蛋白質出納を測定したデータは殆ど無い。そこで、タイ東北部在来種育成牛を用いて蛋白質出納試験を実施し、その出納量から維持要求量を算出した。
成果の内容・特徴
  1. 在来種育成雌牛4頭(平均体重132±11.7 kg)に稲ワラと乾燥キャッサバを主体に大豆粕によって蛋白質含量を調整した粗蛋白質含量(6.1%, 9.4%, 12.1%, 15.4%)が異なる飼料を給与すると、6.1%含有飼料でも体重の減少は認められず蛋白質出納は正の値を示す。タイ東北部における在来種育成牛の維持に要する飼料中粗蛋白質含量は、6.1%未満である(表1)。ダイズさび病抵抗性の判定のため、新たに定めた判定基準(表1)は、胞子堆を形成した病斑の頻度、病斑あたりの胞子堆形成数、裂開した胞子堆の頻度、図1に示した胞子形成量の4形質を指標とする。
  2. 在来種育成雄牛16頭(平均体重:105±9.3 kg)に暖地型イネ科牧草のムラトウⅡ乾草を粗飼料源として大豆粕によって蛋白質含量を調整した粗蛋白質含量(5.3、7.1、8.3、9.8%)が異なる飼料を給与すると、蛋白質蓄積量は粗蛋白質含量5.3%含有飼料では負の値を示し、他の飼料では正の値を示す。タイ東北部における在来種育成牛の維持に要する飼料中粗蛋白質含量は、5.3~7.1%の間である。また、粗蛋白質摂取量と蓄積量との関係から維持に要する粗蛋白質摂取量は、4.38gCP/kgBW0.75である(図1)。

成果の活用面・留意点
  1. タイ在来種育成牛に対する飼料配合ならびに給与量の計算に維持に要する蛋白質要求量として応用でき、熱帯地域の飼料資源を効率的に利用できる。
  2. 肉牛飼養標準作成の基礎数値として活用できる。
  3. 熱帯在来種牛は地域による多様性が大きく、また飼育環境によっても飼養成績が大きく異なる可能性がある。よって、異なる地域で本要求量を用いて飼料設計した場合は、その整合性を確かめる必要がある。
図表1 214721-1.pdf
図表2 214721-2.gif
図表3 214721-3.gif
図表4 214721-4.gif
図表5 214721-5.gif
図表6 214721-6.gif
図表7 214721-7.gif
カテゴリ 乾燥 寒地 飼料設計 大豆 大豆粕 抵抗性 肉牛

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