通常繁殖に過剰排卵処理・採卵を取り入れた和牛繁殖システム

タイトル 通常繁殖に過剰排卵処理・採卵を取り入れた和牛繁殖システム
担当機関 岐阜県肉用牛試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 分娩後に1回過剰排卵処理・採卵を行い、その後通常の人工授精を行う和牛繁殖システムを実施することにより、分娩間隔は通常の繁殖システムに比べ1.9ヶ月延長するが、 7.3個の受精卵が確保でき、AI産子とET産子で 4.3頭の子牛生産ができ、効率的な和牛子牛生産が可能となる。
背景・ねらい 和牛繁殖を有利に経営するためには、効率的な生産と遺伝的に優れた牛群を揃えることが、重要な要素である。しかし慣行の自家更新法では長期間を要し、子牛の生産性も良くないことから改善する必要がある。
そこで通常の繁殖サイクルに受精卵移植を取り入れることにより、子牛生産性の向上、優良牛群の選抜淘汰が早期に可能となることから、通常繁殖に過剰排卵処理・採卵を取り入れた和牛繁殖システムの導入を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 通常繁殖に過剰排卵処理・採卵を取り入れた和牛繁殖システム(試験区)は、延べ78頭に対し、分娩後80日以降に正常な発情を確認した上で、3日間の漸減法による過剰排卵処理(FSH・24AU、PG・30mg)を行い、発情後、12時間、24時間後に人工授精を、7~8日後に非外科的に採卵を行う。次の発情時から子牛生産のための人工授精を行う。(図1、表1)
  2. 分娩後に1回採卵することにより、分娩間隔は通常の繁殖システムに比べ 1.9ヶ月(57日)延長するが、 7.3個の移植可能卵が確保できる。
  3. 採取された受精卵の受胎率45.7%で試算すると、1回の繁殖サイクルでET産子 3.3頭とAI産子1頭の 4.3頭の子牛生産が可能となる。
成果の活用面・留意点
  1. 通常の繁殖サイクルに過剰排卵処理・採卵を取り入れることにより、分娩間隔は延長するが、受精卵が得られるため、1回の繁殖サイクルでの子牛生産性は向上する。
  2. このシステムを活用することにより、繁殖雌牛の産肉能力の把握が早期に可能となる。
  3. 卵巣、子宮の回復確認のため、分娩後正常な発情を2回確認した上での過剰排卵処理が望ましい。
  4. 採卵を含む分娩間隔の短縮、受胎率の向上が今後の課題である。
図表1 214809-1.gif
図表2 214809-2.gif
カテゴリ 経営管理 受精卵移植 繁殖性改善

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