タイトル |
代用乳による和牛子牛の哺育育成技術 |
担当機関 |
岐阜県肉用牛試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
受精卵移植により生産された和牛子牛の人工哺育育成技術において、早期離乳体系について検討し、6週齢離乳の可能性が示された。高蛋白高脂肪代用乳、餌付け専用人工乳を給与した場合、哺乳期の発育が良好な傾向にある。
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背景・ねらい |
受精卵移植の普及にともない、乳用牛から和牛子牛が生産されるケースが増加してきている。 この場合生産された子牛は人工哺育を行う必要があるが、和牛では子牛の哺育は自然哺育が一般的であり、人工哺育技術が確立されていないため、下痢などの疾病発生による損耗や、発育不良が問題となってきている。
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成果の内容・特徴 |
- 供試牛は受精卵移植により生まれた和牛子牛を用い、生時体重、性別により2区に分け供試した。試験期間は3ヶ月齢までとし、試験期間中はカーフハッチ内で単飼し、下記の3試験について検討した。
- 試験1として、人工哺乳方法の省力化のため、早期離乳体系を実施した場合、自然哺乳牛と比較して発育はやや劣るものの、6週齢離乳、10週齢離乳で発育に差は認められない。(ただし、6週齢時に人工乳摂取量が少ない場合には発育が劣る傾向がある。)(表1)
- 試験2として、6週齢離乳体系で高蛋白高脂肪代用乳を給与した場合、対照区(乳牛用代用乳給与)と比較し大きな差はないが、発育が良い傾向にあった。(表2、表3)
- 試験3として、餌付け専用人工乳(通常人工乳の1/3の大きさのもの)を給与した場合、離乳時(6週齢)での代用乳から人工乳への移行が速やかに行えた。(表2、図1)
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成果の活用面・留意点 |
- 生後早期に体重の5%程度の初乳を確実に哺乳する事により免疫を獲得させる。
- 子牛の健康状態に注意し、疾病の早期発見、早期治療に努める。下痢が発生した場合は、代用乳の給与を中止し経口補液剤を給与する。
- 代用乳、人工乳の検討により哺育期間中の発育は改善されつつあるものの、自然哺育牛に比較して、全期間中の発育は低い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
受精卵移植
省力化
乳牛
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