タイトル |
ロータリ付き圃場ヒータによる火炎除草 |
担当機関 |
三重県農業技術センター |
研究期間 |
1995~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
雑草の火炎除草技術として、土壌中の雑草種子や根茎をロータリで耕耘後直ちにバーナにより焼却し、除草剤を使用せずに雑草の発生を抑制するロータリ付き圃場ヒータを開発した。
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背景・ねらい |
近年、トウモロコシを中心とした飼料畑において強害外来雑草が多発しており、特にイチビの被害は全国的にも問題となっている。そのため各県において防除対策が検討されつつあり、緊急防除技術として除草剤の利用試験も行われている。しかし、低投入、持続型農業に適した雑草防除技術の開発が重要な課題となっている。そこで、除草剤を用いない火炎除草技術として、ロータリで耕耘と同時に土壌を焼却し、雑草種子や根茎を死滅させる圃場ヒータを開発する。
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成果の内容・特徴 |
本機は、トラクタに装着するロータリの後部に灯油バーナ5基を装着した燃焼室(燃焼室容積:0.35)を連結したものであり、ロータリにより耕耘しながら圃場表面を焼却するものである(図1、表1)。
- 本機の特徴は、圃場表面だけを焼却するのではなく、ロータリ耕(耕耘幅:1.35m)により耕耘された雑草種子の含まれた土を燃焼室内に送り込み、この中で土とともに雑草種子を5基のバーナにより焼却する構造である(図2)。停車時の燃焼室内の温度は約700℃に達し、また作業時(車速:0.53m/s)での燃焼室内の圃場表面温度は約400℃で推移する。
- 本機の圃場作業量は16.9a/hであり、焼却のための燃料消費量は10.4/10a(灯油代: 540円/10a)となる。また、雑草の抑制効果については耕耘だけの作業と比較すると1ヶ月後の雑草発生本数と雑草の乾物重量が減少する(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 強害外来雑草を含む全ての雑草防除に効果があるが、耕深より深い位置にある雑草種子には効果が劣る。
- 圃場ヒータ装着時はトラクタの前輪浮上の恐れがあるため、前部にウエイトを装着する必要がある。また作業時には圃場周辺の可燃物には十分に注意をする必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
除草
除草剤
とうもろこし
防除
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