タイトル |
アスパラガスのアレロパシー軽減のための改植技術 |
担当機関 |
長野県野菜花き試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
アスパラガスを栽培したほ場に再びアスパラガスを作付けると生育が抑制されるが、定植位置は前作のうね中央がうね間より抑制程度が大きく、また地下部残さをそのまますき込むと生育抑制が大きいので、改植する場合は前作株を抜根、ほ場外へ持ち出し、前作のうね間に新うねを作成して定植する。
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背景・ねらい |
アスパラガスは定植後10年目頃から収量が減少し始め改植の必要がある。また、アスパラガスはアレロパシー作用が強い作物であり、新植ほ場に比べ改植ほ場では収量が減少するとの報告がある。 本県では経営面積が小さく新植ができない場合が多いので、同じ畑に再び定植せざるを得ないが、その際できるだけアレロパシー作用を軽減することが重要である。 そこで、アスパラガス栽培ほ場におけるアレロパシー物質の分布を調査し、また地下部残さのほ場外への持ち出し有無と改植時のうねの位置が収量に及ぼす影響を検討し、生育抑制を軽減する改植方法を確立しようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 株が生育していたうね中央土壌はうね間土壌に比べアスパラガスの生育が抑制された。これはうね中央ほど土中のアレロパシー物質の蓄積が多いからと考えられる。(表1)
- アスパラガス無栽培土壌に根の粉末を添加し栽培したところ、添加量の多いほど生育が抑制された。これは根にアレロパシー物質が存在することを示唆しており、改植する場合は前作株の地下部残さをほ場外へ持ち出すことが必要と考えられる。(表2)
- 前作のうね間位置に定植した区は、前作のうね位置に定植した区に比べ収量が高かった。また、地下部残さを持ち出した区はそのまますき込んだ区に比べ収量が高かった。両処理を比較すると、前作のうね間に定植する方が地下部残さを持ち出すよりも収量が高かった。(表3)
- これらの結果から、改植する場合の方法は、前作株をできるだけ丁寧に抜根してほ場外へ持ち出し、前作のうね間に当たる位置に新うねを作成し、定植する方法がよい。
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成果の活用面・留意点 |
改植ほ場における生育は、病害虫の発生や養分の過不足等によっても影響を受けるので、これらの対策も同時に行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
アスパラガス
アレロパシー物質
改植
害虫
経営管理
栽培技術
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