揉捻葉のマイクロ波加熱処理による荒茶の品質向上

タイトル 揉捻葉のマイクロ波加熱処理による荒茶の品質向上
担当機関 埼玉県茶業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 荒茶製造工程中の揉捻終了後の茶葉に出力1.0kw、照射時間40秒でマイクロ波加熱をうことにより、二番茶特有の硬葉臭及び硬葉味が除去され、香味の向上を図ることができる。さらに、生葉貯蔵により鮮度が低下した茶葉の葉傷み臭及び葉傷み味も軽減することができる。
背景・ねらい 近年の農家の労働力不足による摘採の休日集中や、`やぶきた'偏重による、摘採の集中から、茶工場の処理能力を大きく超える量の生葉が集荷される。そのため、貯蔵中に葉傷みを生じ、その後の荒茶品質の低下の大きな原因となっている。
また、二番茶葉は原葉の硬化が早く、特有の硬葉臭等を生じやすいので、品質の劣る中、下級茶が製品の中心となっている。そのため、荒茶価格は低く抑えられ、経済性が低く、二番茶の摘採を行わない農家が多い。
そこで、葉傷みを生じた茶葉や二番茶摘採葉に対し、マイクロ波加熱を行い荒茶品質の向上を図った。マイクロ波加熱を行う時期は、製造工程中で最もマイクロ波加熱による香味改善効果が高い揉捻工程終了後とした。
成果の内容・特徴
  1. 貯蔵葉や二番茶葉を供試した荒茶製造において、揉捻工程終了後の茶葉に総出力1.0kw、照射時間40秒のマイクロ波加熱を行うことで、荒茶品質の向上を図ることができる(図1、表1)。
  2. マイクロ波加熱による品質向上効果は、香気と滋味で顕著で、二番茶特有の硬葉臭及び硬葉味や、貯蔵葉の葉傷み臭及び葉傷み味が軽減される(表2)。
  3. 他方、色沢や水色はやや劣る傾向がある(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. マイクロ波加熱時に金属片が混入していると、放電や加熱が起こるため、茶葉中に金属片が混入しないように注意する。
  2. 茶葉から発生した水蒸気が、機内に残留して、むれの原因になることを防ぐため、マイクロ波加熱装置の搬送部(ベルトコンベア)に通気性を持たせる必要がある。
  3. マイクロ波加熱により、色沢、水色が劣る傾向にあるので、それらを特に重視する場合にはマイクロ波加熱を行わないようにする。
  4. 品質評価は中揉仕上で行った。
図表1 214927-1.gif
図表2 214927-2.gif
図表3 214927-3.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S