タイトル |
チャ遺伝資源の超低温保存法 |
担当機関 |
静岡県茶業試験場育種研究室 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
チャの培養茎頂、実生組織由来の不定胚・多芽体を用いて液体窒素中で超低温保存する技術を開発した。超低温処理後の植物体には外見上あるいは遺伝子レベルにおける変異が認められず、保存後再生個体の遺伝的安定性が保たれていたことから、本法はチャ遺伝資源の保存に利用できる。
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背景・ねらい |
これまでに開発された茎頂の超低温保存法では、保存後の生存率に問題があり、その向上と安定化を図る必要があるとともに、再生後の変異の有無が確認されていなかった。そこで、これらの問題を解決するため、茎頂を用いた保存法の改良と茎頂以外の組織を使った新しい保存法と再生後の遺伝的安定性についても検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 培養茎頂の保存法としては「ガラス化法」が適し、供試材料の大きさに応じて処理条件を変えることにより、超低温保存後約60%以上の安定した生存率が得られる(図1)。
- 培養多芽体の保存法としては「アルギン酸ビーズ乾燥法」が適し、低温順化処理と組み合わせることにより、超低温保存後約60%の安定した生存率を得ることができる。
- 不定胚の保存法としては「アルギン酸ビーズ乾燥法」が適し、超低温保存後約40%の生存率を得ることができる。
- 順化・鉢上げ後の個体について葉の形態調査を行った結果、外見的には異常葉の発現が認められていない。
- RAPD法により、合計12種類のDNAプライマーを用いて超低温保存後の再生個体(3品種)について解析した結果、遺伝子レベルにおける変異は認められていない。
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成果の活用面・留意点 |
- 不定胚の超低温保存法を栄養組織の保存に効率的に利用するためには、茎頂などからの不定胚形成率を高めることが必要である。
- 遺伝資源保存法を実用化するためには、超低温保存後の安定的な植物体形成条件を明らかにする必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
遺伝資源
乾燥
品種
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