山間傾斜地における不耕起栽培下での土壌の理化学性と茶樹の生育

タイトル 山間傾斜地における不耕起栽培下での土壌の理化学性と茶樹の生育
担当機関 静岡県茶業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 傾斜地茶園において、3年間耕起処理の違いが土壌の理化学性や茶樹の生育に及ぼす影響について調査した。一番茶、二番茶の生育、収量、品質に耕起処理の違いや傾斜度の違いによる差は認められず、不耕起によるマイナスの影響は認められない。しかし、土壌のEC、無機態窒素濃度が不耕起の表層で高いこと、うね間の表層の固層率が不耕起>深耕、中耕の傾向であること、うね間の根重が中耕≧深耕>不耕起の順であることから中耕程度の耕起は必要である。
背景・ねらい 茶園の軌道走行式栽培管理においてはレールが障害となり、従来の施肥後の中耕や深耕作業が困難になる。そこで、これら耕起処理(深耕・中耕)を行わないことが茶樹の生育、収量、品質や土壌の理化学性に及ぼす影響について平坦地と傾斜地で検討した。
成果の内容・特徴 1静岡県牧ノ原の赤黄色土壌の茶園において、傾斜度(傾斜度0度、8度、15度)と耕起処理(深耕区:年1回秋に深さ40cm程度+施肥毎深さ15cm程度、中耕区:施肥毎のみ深さ15cm程度、不耕起区:耕起を行わない)を変え、茶樹の生育、収量、品質や土壌の理化学性について3年間調査した。
2生育、収量、品質に、耕起処理(深耕、中耕、不耕起)や傾斜度の違いによる差は見られず、不耕起によるマイナスの影響は認められない。
(表1)
3土壌EC、 アンモニア態窒素、硝酸態窒素濃度は傾斜地の各層で、不耕起>中耕>深耕の傾向であり、特に上層( 0~20cm層)でこの傾向が顕著であった。これは不耕起土壌表層における肥料成分の残存と硝化作用の遅れによると考えられ、肥効を高めるためには施肥後の中耕程度の耕起が必要である。(表2)
4うね間上層( 0~20cm層)の固相率はいずれの傾斜度でも、不耕起>深耕、中耕の傾向が見らるが、雨落ちでは一定の傾向は認められない。
(表3)
5うね間の根重はいずれの傾斜度でも中耕≧深耕>不耕起の傾向であるが雨落ちでは一定の傾向は見られない。また、中耕処理では深耕処理と比較して 0~20cm層よりもむしろ30~40cm層で多い傾向にある。不耕起処理は深耕、中耕処理と比較して30~60cmの中下位層だけでなく、 0~30cmの表層でも少ない傾向である。土壌物理性の改善や根量を確保するためにも耕起を行うことが必要である(表4)
成果の活用面・留意点 長期間(3ヶ年間以上)不耕起栽培を行なった場合の茶樹の生育、収量、や土壌の理化学性に及ぼす影響については明らかでない。
図表1 214934-1.gif
図表2 214934-2.gif
図表3 214934-3.gif
図表4 214934-4.gif
図表5 214934-5.gif
カテゴリ 肥料 傾斜地 栽培技術 施肥 不耕起栽培

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