タイトル |
緑茶缶ドリンクの品質改善 |
担当機関 |
静岡県茶業試験場新製品研究室 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
多孔質ガラスによる茶抽出液の脱気処理(MPG処理)を、充填工程に応用しレトルト臭の少ない緑茶缶ドリンクを開発した。また、煎茶を水と共に湿式粉砕した懸濁液(湿式粉砕茶)を原料に使用し、新しいタイプの緑茶缶ドリンクを開発した。
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背景・ねらい |
緑茶缶ドリンクの生産量が著しい伸びを示している。しかし、緑茶缶ドリンクは、加熱殺菌工程で独特の臭い(レトルト臭)が発生するため、急須で浸出した茶に比べると品質がかなり劣る。 そこで、既存製法のレトルト臭の減少を図ると共に、新しいタイプの緑茶缶ドリンクを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 従来、充填工程では、抽出液の溶存酸素濃度(DO)を低下させるために、抽出液を90℃前後に加温しているが、加温による品質の劣化が認められるため、充填温度の低温化が模索されている。
このため、MPG処理を応用し、室温で充填を行なうことにより(図1)、既存製法に比べて、レトルト臭の少ない緑茶缶ドリンクを製造する技術を確立した(表1、図2)。
- 湿式粉砕茶1)を使用し、嗜好の多様化に対応した新しいタイプの緑茶缶ドリンクの開発を行った。その結果、湿式粉砕茶(固形分濃度5%)を水で30倍程度(固形分濃度0.15%)に希釈して製造することにより、香り、味、水色のバランスが良い、懸濁液タイプの緑茶缶ドリンクの製造技術を確立した(表2)。
この缶ドリンクは、従来の抽出液タイプの製品とは香味が異なり、レトルト臭は弱い。1) 予備粉砕した煎茶を細孔から水と共に高圧(100MPa)で噴出し、相互に衝突させることで10μm以下に微粉砕して製造する。固形分濃度5%の懸濁液状態の茶で、抹茶等の乾式粉砕の茶に比べ、水に希釈した際の懸濁安定性が良い。
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成果の活用面・留意点 |
- 特許出願済(特願平6-37813願平6-262940)
- MPG処理による室温充填の効果を、メーカーと共同で、スケールアップして(ヘッドスペースへの蒸気吹き込みによる減圧の確保等)確認する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
茶
抹茶
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