タイトル | 普通蚕品種用ペレット人工飼料による4齢飼育の簡易化 |
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担当機関 | (財)大日本蚕糸会 |
研究期間 | 1995~1995 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1995 |
要約 | ペレット人工飼料を用いると水戻しや給餌が簡易な器具で省力的に行えるので、軽微な設備投資で人工飼料育齢期を延長することができる。普通蚕品種用の桑入りペレット飼料で4齢期を飼育すると、実用的な繭生産成績が得られる。 |
背景・ねらい | 人工飼料育齢期を拡大し、省力的で作柄が安定する多回育技術を確立することで、養蚕経営を大型化する方策が求められている。ペレット飼料を用いて普通蚕品種の人工飼料育を4齢まで延長するため、水戻し(湿体調製)や給餌に必要とする器具を選定し、それらを使用した作業手順について検討する。さらに、従来の蒸煮飼料で3齢まで人工飼料育した蚕についてペレット飼料による4齢飼育技術を検討するとともに、5齢期を桑葉育に移した場合の繭生産性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1ペレット人工飼料の水戻しはポリバケツ、メジャーカップ、水戻し・給餌兼用ポリバット、ポリバット運搬台車、天秤など、市販されている用具で行える。 2 水戻し作業は、4齢餉食時の1蚕箔(掃立蚕2,500頭)分をポリバット1個で行うと、8蚕箔分を5分47秒で行える(図1)。 3ペレット人工飼料の水戻しは、概ね30分以内に吸水が終わる。掃立蚕1箱(8蚕箔)当たりの4齢餉食における給餌作業時間は、2人作業で12分48秒、1人作業で17分20秒である(図2)。 4ペレット人工飼料による普通蚕の4齢飼育は、蚕座紙、防乾紙の上に網目が5mm前後のポリネットを敷き入れた蚕座で行う。飼育温度は26℃、湿度は80%を目標とする。餉食時は、掃立蚕2,500頭当たりの蚕座面積を 0.65m2として、湿体2.6kgを給餌する。4齢3日目は、1.16m2に拡座し、 51~3齢を従来の蒸煮飼料で飼育し、4齢期をペレット飼料で飼育した普通蚕の5齢桑葉育を場内および現地農家で実施すると、実用的な繭生産成績が得られる(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1ペレット人工飼料の水戻しは、清水を用いて清浄環境下で行う。 24齢飼育は、温湿度調整のできる飼育室で行い、防乾紙育を避ける。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | カイコ 桑 経営管理 飼育技術 品種 |