チャ冬芽の生育特性に基づく秋整枝適期の推定法

タイトル チャ冬芽の生育特性に基づく秋整枝適期の推定法
担当機関 静岡県茶業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 秋整枝から冬季までにおけるチャ冬芽の芽長を気象環境から推定する生育モデルを作成した。この生育モデルを用いて、冬芽の耐凍性が低下する10mm以上にならない期日を算出すれば、地域別の気象から秋整枝適期が推定できる。
背景・ねらい チャの冬芽は、秋整枝から12月上旬頃まで生育する特性がある。遅い秋整枝は、冬芽の充実度が少なく翌年一番茶が遅くなるが、早すぎると冬芽が年内に萌芽して茶株面が乱れ、また耐寒性が低下する。したがって、耐寒性が低下しない範囲でなるべく充実した状態で冬芽を越冬させることが秋整枝の適期である。
冬芽の芽長と耐凍性との関連性を明らかにするとともに、秋整枝から冬季にかけての冬芽の芽長を推定する生育モデルを作成し、チャの秋整枝適期を推定する。
成果の内容・特徴
  1. 1990~1995年に観測された冬芽の芽長データから最小二乗法で選定された芽長増加量を表す関数は、平均気温、天文日長、前日の芽長を説明変数とした3次元の非線形回帰(図1、図2左)で表され、その推定精度は高い(図2右)。
  2. 冬季の冬芽は、10mm以上の芽長になると耐凍性が低下する(図3)。
  3. 秋整枝後の日平均気温が平年よりかなり高い(+1.5℃)気象条件が続いた場合でも冬芽の芽長が10mm以上にならない整枝日をチャの秋整枝適期とした。アメダスデータから算出された牧之原における秋整枝適期は、整枝直後の芽長が1.5mmの場合は9月30日前後(図4右)、3.0mmの場合は10月10日前後(図4左)である。
成果の活用面・留意点
  1. 冬芽の生育モデルに気象データに当てはめることによって、地域別に秋整枝適期を算出できる。
  2. 静岡県と気象が大きく異なる地域で適合させる場合には、適合性についての確認が必要である。
  3. この生育モデルは、'やぶきた'のみに適応できる。他の品種については、現在モデルを作成中である。
図表1 215068-1.gif
図表2 215068-2.gif
図表3 215068-3.gif
図表4 215068-4.gif
カテゴリ 耐寒性 品種

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