揉捻工程における茶葉の力学的物性変化

タイトル 揉捻工程における茶葉の力学的物性変化
担当機関 静岡県茶業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 揉捻工程中の茶葉に60gの荷重を60秒間与えるクリープ試験で、その歪みの経時変化を測定した。その結果、茶葉の力学的物性をバネとダッシュポットの4要素模型で表現することができ、各力学要素の値は工程時間の経過とともに大きくなる傾向がある。
背景・ねらい 揉捻工程終了時の判断は、茶葉水分の均一性や茶葉の色、小玉のほぐれ具合など水分を含めた茶葉の多くの物理的特性の変化を目安としている。これらの目安をもとに、茶師は五感で茶葉の変化を判断し、工程を終了している。しかし、この工程には茶葉の変化をとらえるセンシング技術が導入されておらず、自動化は遅れている。
そこで、揉捻工程中の茶葉の力学的な物性をとらえる技術を確立するとともに、揉捻工程中の変化を明らかにし、工程の自動制御に役立てる。
成果の内容・特徴
  1. 荷重50~100gの範囲で荷重量と変形量との間に線形性が認められる。(図1)
  2. 工程中の茶葉をステンレス容器(60mmφ×20mmH)に粗充填した後、予備荷重1g,30秒に続いて本荷重60gを60秒間茶葉にアクリルプランジャーで与える方法で、茶葉のクリープ試験が可能である。(図2)
  3. 10分毎に採取した揉捻工程中の茶葉のクリープ試験の結果から、茶葉を4要素の力学模型として表すことができる。(図3)各力学要素の値は表1のとおりである。
  4. 揉捻時間10~20分に各力学要素の値は最大となり、30分までに値が再び小さくなる傾向がある。(表1)揉捻工程中の茶葉は工程時間20分までに小玉や大きな塊ができ、その後工程終了までにほぐれ、茶師はこの茶葉の塊や小玉のほぐれ具合の変化を工程終了の判断の目安としているが、各力学要素の変化は、この茶葉の変化を数値化しているものと考えられる。
  5. 以上のことから、茶師が判断の目安としている茶葉の力学的な物性変化は、クリープ試験によって数値化していくことが可能である。
成果の活用面・留意点 「成果の活用面・留意点]
  1. 茶葉の力学的な物性変化が数値化されるため、茶葉の変化をフィードバックした揉捻工程の自動制御への活用が期待できる。
  2. 各力学要素と茶葉特性との関連づけについて、今後、検討が必要である。

図表1 215076-1.gif
図表2 215076-2.gif
図表3 215076-3.gif
図表4 215076-4.gif
カテゴリ くり 自動制御 センシング

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