タイトル |
エゴマ油及びエゴマ粕の給与による付加価値卵の生産技術 |
担当機関 |
栃木県畜産試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
エゴマ油及びエゴマ粕を配合した飼料を採卵鶏に給与したところ、卵黄中の脂肪酸組成は変化し、特にα-リノレン酸の割合が高くなった。また、市販飼料と生存率、産卵性、飼料の利用性が変わらない配合はエゴマ油の3%、5%、10%配合区であった。
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背景・ねらい |
近年、消費者の食品に関するニーズの多様化が進む中で、鶏卵についても安全で健康に良いものが求められるようになってきている。そこで、多価不飽和脂肪酸の一つであるn-3系列の脂肪酸がアレルギー性疾患や血栓性疾患等の予防に有効であるという報告があるので、n-3系列の不飽和脂肪酸の一つであるα-リノレン酸を多く含んだエゴマ油及びエゴマ粕を飼料に配合して、産卵性や飼料の利用性及び卵黄中の脂肪酸組成について調査をした。
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成果の内容・特徴 |
赤玉系のコマーシャル鶏(各区50羽×2反復)を用い、151日齢時から430日齢時までの280日間の飼養試験を行った。各年度毎に対照区(市販成鶏用飼料 CP17%、ME2.8Mcal)と、試験区としてエゴマ油3%、5%、10%、15%、及びエゴマ粕10%、30%を単味飼料を用い自家配合(CP17%、ME2.8Mcal)した。
- 卵黄中の脂肪酸組成についてはエゴマ油及びエゴマ粕の配合により変化した。特にα-リノレン酸の割合が増加した。EPAについても微増した。(表1)
- 生存率については、エゴマ油及びエゴマ粕の影響は認められなかった。(表2)
- 産卵性については、エゴマ油15%及びエゴマ粕30%の配合は産卵率を低下させた。(表2)
- エゴマ粕の30%配合は平均卵重、産卵日量を低下させた。(表2)
- 飼料の消費日量は、油の配合割合が高くなるほど少なくなり嗜好性が劣った。(表2)
- エゴマ粕の配合割合が高くなるほど飼料要求率は低下した。(表2)
- 卵質については、卵黄色に差が認められたが単味飼料の配合割合の違いによると考えられる。(表3)
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成果の活用面・留意点 |
産卵率を低下させず飼料の利用性も下げない最大配合割合は、エゴマ油で10%である。しかしエゴマ油の単価が高いので飼料費も高くなる(表4)ため、両方を考えて配合割合を決定した方が良いと考えられる。また、エゴマ粕の配合は10%配合でも飼料要求率の低下がみられるので、適正なレベルを考えて使う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
えごま
鶏
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