タイトル |
牛・豚ふん尿堆肥の成型化(ペレット状)によるハンドリングの改良 |
担当機関 |
岐阜県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
成型機(ダブルダイス方式)を利用したペレット堆肥の形状は、直径が約5mm、長さが 5~15mm程度の円筒形である。ペレットは、散布・搬送時にほこりの発生が少なく、また成型時に圧縮され、その容積が 1.5~ 5.9分の1に小型化されるため、堆肥の保管場所の節減や運送手段の縮小が図られる。
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背景・ねらい |
畜産業は、集約化・規模拡大が進み、家畜ふん尿堆肥が地域に偏在する等の問題が生じた。また近年「地球にやさしい農業」が叫ばれ、その中で有機農業への取組から家畜ふん尿堆肥の需要が高まってきた。しかし堆肥の取扱いの難しさ、品質や肥効の不安定さが指摘され、利用増につながっていない。 このため良質堆肥を成型化し、ハンドリングを改良し広域流通を図る。
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成果の内容・特徴 |
牛ふん又は豚ぷんに水分調整資材として、オガクズ・モミガラ・ゼオライトを混合し、2ケ月堆積発酵させた後に水分を調整し、ダブルダイス方式によりペレットとした。
- ペレット堆肥の耐久性は(豚)、モミガラ>オガクズ>ゼオライトとモミガラ又はオガクズの混合物>ゼオライトの順となり、モミガラを利用した堆肥が良かった。
ペレットの取扱い上必要な耐久性について、飼料ではその目安が96~97%とされており、堆肥もこの程度の数値が求められる。
- 堆肥の取扱い時のほこりの発生量は、堆肥の水分が多いほど少ない。ほぼ同じ水分であれば、ペレット堆肥がバラ堆肥と比べほこりの発生量が十分の一に減少した(図1)。このため、堆肥のオペレーターの労働環境の改善が図れる。
- ダブルダイス方式は堆肥を圧縮しペレット状にする方法であり、ペレット堆肥の仮比重がバラ堆肥と比べ1.53倍(豚ぷん・水分調整資材・ゼオライト)~5.91倍(牛ふん・同モミガラ)あり、モミガラのようにかさ張る水分調整材を利用した堆肥の成型化がより効果的である。
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成果の活用面・留意点 |
- 堆肥の保管施設の縮小化が図られ、現在の施設で長期間保管でき、堆肥の需要が集中する場合でも対応が可能となる。
- ダブルダイス方式のペレット化には、原料堆肥の水分を20~30%にする必要があり水分が多い堆肥は、あらかじめ乾燥する必要がある。またペレット成型時に発熱があり、多少の水分減少もあるが、ペレットの強度を強めるためには水分を成型後に15%以下まで減少させる必要がある。
- ペレット堆肥の水分は11~15%であり、一般の堆肥と比べ少ないので、単位重量当たりの価値は高くなる(1t当たり約 1,400円。良質堆肥の価格を 2,000円/t、水分50%とした)。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
有機農業
有機栽培
乾燥
規模拡大
ばら
豚
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