ナイロンバッグ法による飼料用ソルガム茎葉部の乾物消失率の変異

タイトル ナイロンバッグ法による飼料用ソルガム茎葉部の乾物消失率の変異
担当機関 長野県畜産試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1996
要約 子実型~兼用型ソルガムおよびスーダングラスの茎葉部のナイロンバッグ法による乾物消失率は60.8~87.4%の変異を示した。乾物消失率を構成する水溶性物質は21.5~60.0%、同じく構造性物質の消失量は19.2~57.0%の変異を示した。
背景・ねらい 飼料用ソルガムの茎葉部の消化率は、糖類などの水溶性物質の含量や構造性物質の含量と消化率の影響を受けて変異を示す。子実型~ソルゴー型ソルガムおよびスーダングラスの茎葉部(2mmメッシュ)の乾物消失率の変異をナイロンバッグ法で明らかにするとともに、第1胃内乾物消失率に影響する水溶性物質(35℃の微温湯に浸漬したときの乾物消失量)や構造性物質の消失量(第1胃内乾物消失量-水溶性物質)との関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ソルガム茎葉部の第1胃内乾物消失率は60.8~87.4%(図1、図2)の変異を示して、同一条件下で測定したイナワラや牧乾草(56.0~61.2%)に相当するものから、トウモロコシのホールクロップ(82.4%)を上回るものまでが認められた。
  2. ソルガム茎葉部の乾物に占める水溶性物質は21.5~60.0%(図1)、同じく構造性物質の消失量は19.2~57.0%(図2)の変異を示し、第1胃内乾物消失率の変異の幅を上回った。両者の間には有意な負の相関(r=-0.76、p&st;0.01)を認めた。
  3. 普通品種系統群の水溶性物質が20%から60%にまで上昇しても、第1胃内乾物消失率の上昇は15%にすぎなかった。糖類などの水溶性物質の増加によるソルガム茎葉部の第1胃内乾物消失率の上昇は80%前後が限界になると推定される(図1)。
  4. bmr(褐色中肋)系統群は普通品種系統群とは異なる軸上に分布した(図1、図2)。茎葉部の第1胃内乾物消失率が充実した穂(枝梗を含む)に匹敵する系統が多く、糖やデンプンに依存しない高消化性系統育成の可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点
  1. ソルガム育種における高消化性系統育成のための選抜情報として利用する。
  2. 収穫は糊熟期を原則とし、これに達しない晩生品種系統は初霜直前に行った。
  3. 鳥害を受けたソルガムでは、穂における収量の低下、茎葉におけるブリックスの上昇と収量の増加を認めた。茎葉部の乾物消失率はブリックスの上昇に伴って上昇したが、普通品種系統群の変異の軸上を移動するにすぎなかった(図1)。
図表1 215123-1.gif
図表2 215123-2.gif
カテゴリ 育種 飼料用作物 ソルガム 鳥害 とうもろこし 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる