タイトル |
草型、収量性、消化性および嗜好性からみたソルガムの飼料的特性のイメージ |
担当機関 |
長野県畜産試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ソルガムの飼料的価値のイメージを視覚的に捉えるために、子実型~ソルゴー型ソルガムおよびスーダングラスからなる110点のソルガムについて、草型と収量性および黒毛和種が示す消化性と嗜好性で構成されるモデルを作成した。
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背景・ねらい |
ソルガムは遺伝的な変異が大きく、個々の品種の特性を把握することが難しい。ソルガムの飼料的特性のイメージを視覚的に捉えることを目的として、草型と収量性および黒毛和種の繁殖牛が示す消化性と嗜好性で構成されるモデルの作成を試みた。
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成果の内容・特徴 |
- "N88-BASIC"でプログラムしたモデルは複数の楕円で構成される。縦(y)軸には稈長および穂と茎葉の乾物構成比、横(x)軸には単位稈長あたりの乾物収量および消化特性が示される。上の円は穂、下の円は茎葉を示し、外円から内円に向かって、不消化物(A)、可消化物(B)、水溶性物質(C)の分画を示す。穂の可消化物は大半がデンプンで占められるため、BとCを合わせて示した。簡易化した一対比較法で評価した平均嗜好度を、A分画にタイル(6パターン)で示した(図1)。
- タイプ別には、子実型(図2-1、図2-2)は「かがみもち」、兼用型(図2-3)は「だるま」、ソルゴー型(図2-4、図2-5)は「こけし」とも見えるモデルを描いた。
- bmr(褐色中肋)系統は普通品種系統に比較してA分画が小さく、優れた消化性を示した。消化性の向上はC分画よりもB分画に依存する部分が大きかった(図2-1)。
- 種々の原因で穂の充実を欠くソルゴー型ソルガムでは、穂の消化性が茎葉部の消化性を下回るモデルが多数描かれた(図2-4)。
- 鳥害を受けた子実型および兼用型では、穂における収量の減少と消化性の低下、茎葉におけるブリックスの上昇と収量の増加および消化性の上昇を認めた。茎葉部の消化性の上昇はC分画の増加によるもので、構造性物質(A、B分画)の単位面積収量に差はなかった。これらは丈の短いソルゴー型ともいえるモデルを描いており、タイプだけではソルガムの飼料的特性を説明できない(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ソルガムが示す飼料的特性の変異を視覚的に捉えることができる。
- 利用者の視点で描いたモデルであり、栽培面の特性は取り込んでいない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
ソルガム
鳥害
繁殖性改善
品種
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