タイトル |
小区画圃場・排水不良田用歩行型ベールラッパ |
担当機関 |
三重県農業技術センター畜産部 |
研究期間 |
1996~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
中山間地帯の小区画圃場や軟弱な転換畑を対象とした歩行型ベールラッパを開発した。本機は走行装置にゴムクローラを利用し、自動積み込み機構とテーブルリフトによる運搬車への直接荷降ろし機構を有する軽量、コンパクトな作業機である。
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背景・ねらい |
ロールベールサイレージ体系は耐天候性に優れ、ワンマンオペレーションが可能なことから、近年、急速に普及しつつある技術である。このため、大区画圃場だけでなく、中山間地帯の小区画圃場や転換畑での作業を対象とした自走式ロールベーラも開発されている。そこで、中小型ロールベールサイレージの機械化一貫体系を確立するため、旋回走行性に優れた軽量かつコンパクトなベールラッパの開発を行う。
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成果の内容・特徴 |
本機は走行装置にゴムクローラを利用した歩行型ベールラッパ(図1)であり、自動積み込み機構と、さらに荷降ろしにはテーブルリフトによりトラック等の運搬車に直接ロールを荷降ろす機構を有することが特徴である。
- ロールの積み込みは、車体右側部のリフトアームにより行う。この場合、車体の横転を防ぐために、リフトアームと油圧連動したアウトレガを利用する。つまり、積み込み時はリフトアームに沿って折りたたまれており、アームの上昇に連動してアウトレガ先端に取り付けた補助車輪が地面を押さえながら車体方向へ近寄る構造となっている(図2)。
- 排水不良田での自走式ロールベーラとの組作業では、ベールの濡れや土砂混入を防ぐために、アウトレガの補助車輪によりリフトアームを地面から若干浮かした状態で直接ロールを受け取ることができる。また、一度地面に落とされたロールは、リフトアームの先端を地面に擦らしながら、すくい上げることもできる(図2)。
- ロールの荷降ろしは、ターンテーブル下部に取り付けたテーブルリフトを上昇させ、運搬車の荷台に直接荷降ろすことができる(図3)。
- 本機は走行装置にクローラを利用した歩行型作業機であり、旋回性に優れているため、特に小区画圃場では、牽引式作業機より積込み作業の短縮が図られる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本機は軟弱圃場や小区画圃場での作業に適する。また中長距離の圃場間移動は軽トラックでも運搬することができる。
- 排水不良田でのホールクロップ用稲等の収穫調製には、当センターで開発した稲ホールクロップ用カッティングロールベーラと組作業を行うことが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
機械化
中山間地域
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