あずきの煮熟技術の改良について

タイトル あずきの煮熟技術の改良について
担当機関 栃木県食品工業指導所
研究期間 1994~1995
研究担当者
発行年度 1996
要約 あずきを使用した製品の品質向上の目的として高圧処理装置による煮熟技術の改良を実施した。この前処理により明るく風味の良い煮豆や餡を製造できた。
背景・ねらい 高圧処理による食品加工は、食品の殺菌・蛋白の変性・酵素活性の制御・澱粉のアルファー化等に効果があることが実証されている。食品加工で利用される高圧処理の圧力と比較して低い領域での利用方法の研究を実施したところ、100MPa近辺(約1000気圧)の圧力をあずきに前処理することにより、その後の煮熟特性が改善できた。
あずきは豆類でも吸水速度が低いことが知られており、煮豆や製餡加工においては煮熟するまでの時間管理や渋抜きのタイミングが重要であり、製品の品質を左右する。加圧処理をしたあずきは煮揃いが良いので煮上がりの時間を短縮することができ渋抜きも容易になる。
成果の内容・特徴
  1. 処理方法:あずきを水洗(または浸漬)直後に高圧処理装置により100MPaの水圧を与える。この前処理によりあずきの表皮と内部組織に微細な隙間ができて吸水時間や煮熟完了まで時間を短縮できる。あずきの乾燥が良く水圧上昇時間が短いと効果が高い。水に浸漬した後の時間が長くなると効果が低くなる。
  2. 原理:あずきの中に含まれる水分が抜けた所に加圧処理により急激に水が浸入して渋皮と内部組織に水が浸入しやすい隙間が生じる。
  3. 効果:
    • 水に浸漬する時間を短縮できる。
    • 水の出入りが良くなり渋の抜けが良い。
    • 煮熟までの時間を短縮できる。
    • 煮る時間短縮によりアントシアンニンが褐変せず明るい色調の製品ができる。
    • 水分が浸入しにくい石豆にも入りやすくなり煮揃いが良くなる。
成果の活用面・留意点
  1. 圧力の範囲が100MPa前後と低いので比較的安価な処理容器により実施可能である。
  2. この成果を特許出願した。
    「小豆の煮熟加工方法」、出願番号「特平7-352834」
図表1 215169-1.gif
図表2 215169-2.gif
カテゴリ あずき 加工 乾燥

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