水稲の新品種候補系統「愛知93号」の育成と奨励品種採用

タイトル 水稲の新品種候補系統「愛知93号」の育成と奨励品種採用
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 強稈、良質・多収の水稲うるち種「愛知93号」を育成した。熟期は「日本晴」並で、育成地における熟期区分では早生に属する。縞葉枯病抵抗性で、穂いもちに強く、ごく良食味である。本種を県平たん部早植ないし普通期栽培地帯に普及する。
背景・ねらい 「日本晴」熟期の早生うるち種は、縞葉枯病や穂いもちに強い良食味品種が少ない。このため、多収・良質・良食味で、耐病性に優れる早生品種を育成し、優良品種の普及をはかる。
成果の内容・特徴 「愛知93号」は、良質で良食味である「愛知70号」(あいちのかおり)を母とし、栽培安定性、縞葉枯病抵抗性、穂いもち抵抗性を有する「愛知56号」(月の光)と「愛知65号」とのF1 を父として昭和60年に交配を行い、育成した系統である。平成3年から系統名を付して検討してきたもので、平成8年の世代はF12である。平成8年4月、種苗登録申請を行った。
「愛知93号」の特性
  1. 出穂・成熟期は「日本晴」「黄金晴」と同じ「早生」である。晩植すると「黄金晴」より出穂期が2日遅くなる。
  2. 稈長は「黄金晴」より5cm程度短く、穂長は3~6㎜長い。穂数は「黄金晴」よりやや多く「日本晴」より少ない。草型は偏穂重型に属する。
  3. 「黄金晴」と同程度の強稈で、穂発芽性は「やや難~中」で「日本晴」とほぼ同等である。
  4. 縞葉枯病抵抗性を有し、穂いもちに「強」、白葉枯病に「中」程度の抵抗性を示す。
  5. 玄米千粒重は「黄金晴」よりやや大きい中粒である。外観品質は「黄金晴」、「日本晴」より良好である。
  6. 収量は「黄金晴」や「日本晴」より多収で、早植栽培から普通期栽培まで適応作期幅が広い。
  7. 食味は、「愛知70号」(あいちのかおり)由来でごく良好である。
成果の活用面・留意点
  1. 温暖地平たん部の早植~普通期栽培地帯に適する。本県での普及予定面積は 3,000haである。
  2. 縞葉枯病発生地域において被害回避ができる。耐倒伏性は強いが、良食味米生産のため多肥栽培は避ける。
図表1 215297-1.gif
カテゴリ 縞葉枯病 新品種 水稲 抵抗性 品種 良食味

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