| タイトル |
土耕法によるアレチウリ種子の発芽試験法 |
| 担当機関 |
長野県畜産試験場 |
| 研究期間 |
1997~1997 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
アレチウリに対して、発芽率検出感度の高い発芽試験法、すなわち、園芸培土を充填したノイバウエルポットに種子を播種し、土壌水分を最大容水量の60%に維持し、20℃12時間・35℃12時間の変温条件におく「ノイバウエルポット土耕法」を開発した。
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| 背景・ねらい |
雑草防除技術の開発にあたっては、開発した技術が雑草の発芽率を抑えるかどうかを確かめなければならない場面がある。しかし、飼料畑における強害外来雑草であるアレチウリでは、従来のガラスシャーレ・ろ紙法による発芽試験の検出感度が低い(自給飼料,20,15~21)ことが問題となっており、これに替わる簡易な発芽試験法の開発を行う必要があった。そこで、入手が容易な器具・材料を用いた「ノイバウエルポット土耕法」を考案し、有効性を検討した。
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| 成果の内容・特徴 |
- 考案したアレチウリの発芽試験法(「ノイバウエルポット土耕法」):野菜育苗用の園芸培土を充填した市販ノイバウエルポットに種子を20粒ずつ播種し、土壌水分を最大容水量の60%に調整したうえで、微小孔を設けたアルミ箔でおおい変温培養(20℃12時間・35℃12時間)する。野菜育苗用の市販園芸培土は通常、加熱殺菌してあるので、他の雑草種子が発芽せず、土壌の理化学性も適正に調整されている。ノイバウエルポットは堅牢なつくりになっており、実験終了後に洗浄し、再度実験に供試することができる。
- アレチウリでは、ノイバウエルポット土耕法による発芽率が平均で85%と高かったのに対して、ガラスシャーレ・ろ紙法による発芽率が0%と低く、ノイバウエルポット土耕法の検出感度が高かった。しかし、イチビとコマツナでは、ガラスシャーレ・ろ紙法による発芽率との間に有意な差がみられなかった(表1)。
- 本法とTTC検定(九州農業研究,46,187 )とを組み合わせることにより、アレチウリ種子の発芽能および生存活性を連続して調査することが可能である(表2)。
- アレチウリの発芽率は前年に採種した種子の発芽率が当年に採種した種子の発芽率よりも高く、あらかじめ果皮をはく離し、種子に傷をつけた場合の発芽率が最も高かった(表3)。
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| 成果の活用面・留意点 |
アレチウリの生態解明や防除法の開発に役立てることができる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
病害虫
育苗
くり
こまつな
雑草
播種
防除
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