タイトル |
トウモロコシ栽培圃場における多年生雑草ガガイモの拡散動向 |
担当機関 |
三重県農業技術センター畜産部 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
外来雑草のガガイモは生活環が2年以上にわたる多年生雑草であり、栄養繁殖器官である横走根はロータリ耕耘により約10cmに切断される。この切断された根片は1年間で10m以上に伸長し、次年度の耕耘により圃場内全面に拡散する。
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背景・ねらい |
多年生雑草のガガイモは、主に輸入飼料に混入した種子によって圃場に侵入すると考えられ、耕地に一旦定着すると防除が非常に困難である。また、近年、砕土・整地の容易さからプラウ耕よりロータリによる耕耘が主体となっており、このロータリ耕耘が多年生雑草の圃場内での拡散に大きく寄与していることが推察される。そこで、ガガイモの根の1年間の伸長状況を調査するとともに、ロータリ耕耘による圃場での拡散動向を調査し、今後の防除対策の資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- 圃場に侵入したガガイモの種子は1シーズンで横走根が約40cm伸長する(図1、表1)。しかし、トウモロコシ作期間内には新たな種子は生産されず、トウモロコシ畑におけるガガイモの増殖は栄養繁殖器官である横走根による。
- ガガイモ発生圃場をロータリで耕耘すると、ロータリ爪により横走根が切断される。この場合、作業条件として車速0.6m/s、耕深15cmで作業した結果、横走根の平均切断長は約10cmとなる。
- 切断されたガガイモの根片は、約1年間で横走根13m、垂直根4m、重量 200gにも達する。これは、埋め込み当初(10cm、0.82g)と比較すると、長さで130倍(横走根)、重量で250倍に成長したことになる(図2、表2)。
- トウモロコシ播種後、土壌処理剤を施用した場合でも、枯死せずに残った根片(2本、10cm)は次年度まで伸長し、2年目のトウモロコシ栽培時にロータリで切断、撹乱することにより約30本の地上茎が発生する。さらに、これらの横走根が伸長し、同様に耕耘することにより、3年目には地上茎の数が730本にもなる(図3)。
- 一旦、ガガイモが圃場に侵入すると横走根は圃場内の土中全面に広がり、爆発的に増殖していく。従って、ガガイモ発生圃場を耕耘後は、根片を他の圃場に持ち込まないように注意することも必要である。
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成果の活用面・留意点 |
- ガガイモの圃場内での拡散の様相を解明したことにより、各種防除技術の資料として利用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
とうもろこし
土壌処理
播種
繁殖性改善
防除
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