トウモロコシ栽培におけるイチビに対する除草剤施用の意志決定支援システム

タイトル トウモロコシ栽培におけるイチビに対する除草剤施用の意志決定支援システム
担当機関 三重県農業技術センター畜産部
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 三重県内のトウモロコシ畑に発生したイチビのライフサイクルをシステムダイナミックス手法によりモデル化し、特に土壌処理剤施用後の残存個体の本数により茎葉処理剤施用の有無を決定するシミュレーションモデルを構築した。
背景・ねらい 近年、問題となっている強害外来雑草の防除対策として、除草剤等を用いた化学防除技術が検討されている。一方、環境保全型農業として化学合成資材の低減が重要な課題となりつつあり、除草剤への過剰な依存は環境への負荷を大きくすることになる。そこで、イチビの埋土種子量を抑制し、大発生によるトウモロコシ収量の低下を防止するため、除草剤使用の有無の意志決定を支援するモデルを構築する。
成果の内容・特徴
  1. イチビの埋土種子量、出芽率、個体密度とトウモロコシ収量の関係、土壌処理剤施用と出芽数の関係、茎葉処理剤施用と出芽個体の死滅数の関係等をモデル化した。
  2. このモデルは3~6月の日平均気温、降雨量等の気象データを利用し、イチビ埋土種子量の初期値、トウモロコシの作期、土壌処理剤、茎葉処理剤施用の有無と防除効率、シミュレート期間等を設定することにより、埋土種子量の経年変化とトウモロコシ減収率を予測することができる(言語:Basic、図1)。
  3. このモデルでは埋土深度5cmまでのイチビ種子を出芽可能種子とし、出芽率は気温、土壌水分、降雨量により決定される。また、出芽可能種子量は土壌処理剤により減少し、出芽個体は茎葉処理剤により減少する。さらに成熟個体の種子生産量は個体密度と作期により決定され、イチビ個体密度がトウモロコシ収量に影響する。
  4. モデルのシミュレーション条件として、イチビの初期埋土種子量を1000個/m2、作期を4月上旬播種に設定し、1:土壌処理剤のみ施用、2:イチビが10本/m2残存した時に茎葉処理剤を併用、3:イチビが5本/m2で茎葉処理剤を併用の3例の条件でシミュレートした場合(図2~4)、イチビの埋土種子量も増加させることなく、またトウモロコシ収量もほとんど減少させないためには、3のように土壌処理剤を施用し、その後イチビを5本/m2以上確認した時に、茎葉処理剤を施用すると効果的である。
成果の活用面・留意点
  1. シミュレーション条件を変えることにより、イチビの出芽本数、トウモロコシ減収率、埋土種子量等の動的変化が確認でき、効率的防除対策に利用できる。
  2. 各県での条件の設定は、地域ごとのパラメータのデータが必要であるが、モデルの基本的な構成は利用できる。
図表1 215429-1.gif
図表2 215429-2.gif
図表3 215429-3.gif
図表4 215429-4.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 除草剤 とうもろこし 土壌処理 播種 防除

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