タイトル |
ホールクロップ用稲の刈取り・梱包・調製作業の体系化 |
担当機関 |
三重県農業技術センター畜産部 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
排水不良水田等において、飼料用稲を栽培し、これをホールクロップサイレージとして調製するための稲ホールクロップ用カッティングロールベーラと歩行型ベールラッパを開発し、組作業による収穫調製の機械体系を確立した。
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背景・ねらい |
近年、我国の大家畜生産は国際化の進展と安価な輸入飼料に支えられ、経営の安定を多頭化に求め、飼料自給率が著しく低下しつつある。また、水田においては転作割当面積の増加、米の輸入自由化等にともない、遊休地、耕作放棄地が増加傾向にある。このような現状の中、飼料生産基盤を拡大し、飼料自給率の向上を図るため、転作田を有効に利用した稲ホールクロップサイレージの収穫調製の機械化一貫体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 稲ホールクロップ用カッティングロールベーラは5条刈り自脱型コンバインをベース機とし、脱穀部の替わりにロール成形部(φ900mm)を搭載したものであり(図1)、材料稲をダイレクト収穫し、さらにディスクカッタで切断後(平均切断長:10cm)、ロール成形を行う。
- 歩行型ベールラッパは走行装置にゴムクローラを利用した歩行型作業機であり、自動積み込み機構とフィルム被覆後のロールをテーブルリフトにより運搬車へ直接荷降ろす機構を有する(平成8年度・成果情報)。
- 両作業機を用いた作業体系では、まず稲ホールクロップ用カッティングロールベーラが刈取り・梱包作業を行う。この場合、成形が終了するとチャンバリミットスイッチが働き、トワインが繰り出されるが、同時にパトライトが回り始め、成形終了をオペレータ及び組作業者が確認することができる(図2)。
- 歩行型ベールラッパのオペレータは、カッティングロールベーラのパトライトが回り始めると、圃場内を移動し、ロールの荷受け作業に向かう。ロールの受け取りは、土砂混入を防ぐためリフトアームを補助車輪により地面から若干浮かした状態で直接受け取ることができる(図3)。
- ロール密封後はベールラッパが畦畔まで移動し、運搬車へ荷降ろしする。この間、カッティングロールベーラは次のロールの刈取り・梱包作業を行う。このような組作業を行った場合の作業能率は約15a/hであるが、刈取りから梱包、密封、さらに圃場外への排出まで、ロールを地面に落とすことなく連続作業ができる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 特に中山間地帯の排水不良田での稲ホールクロップサイレージの収穫調製に適する。
- ロール内で子実部と茎葉部が偏るため、ロールの均一化を図る必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
機械化
経営管理
飼料用作物
水田
中山間地域
ワイン
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