タイトル |
黄緑色の種なしぶどう新品種「美嶺」 (みれい) |
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研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
ぶどう新品種「美嶺」は、四倍体の「レッド・クイーン」に二倍体の「甲州三尺」を交雑し、育成した三倍体品種である。黄緑色の種なしぶどうで、ジベレリン処理果の果粒重は4~5g、糖度は18~19Brixと高い。「ネオ・マスカット」より2週間程度早く熟す。
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背景・ねらい |
近年、消費者のニーズは高級化、多様化しており、ぶどうの品種育成にあたっては、大粒・高品質・種なし・早熟性などが求められている。こうした中で、種なし・早熟性の生食醸造兼用品種の育成を目的として、三倍体品種の選抜を実施した。
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成果の内容・特徴 |
- 山梨県果樹試験場において、昭和58年(1983)に四倍体の「レッド・クイーン」に二倍体の「甲州三尺」を交雑し、平成2年(1990)に選抜した(図1)。平成4年(1992)から「ブドウ山梨36号」の系統名でブドウ第8回系統適応性検定試験に供試し検討した結果、有望であることが認められ、平成9年8月19日付けで「ぶどう農林17号」として登録・公表された。現在、種苗法による品種登録を申請中である。
- 樹勢は強く、花振るいは少~中程度、着粒は中~やや密である。着房は良好で、豊産性である。三倍体品種で無核となるため、果粒は自然状態で2g程度と小さい。満開時12.5または25ppm、及び満開10日後25ppmのジベレリン処理によって、4~5gの大きさとなる(表1、表2、写真1、写真2)。
- 果皮色は黄緑色で果面のさびやしみ等の発生は少なく、外観は美しい。皮離れは良く、肉質は塊状である。糖度は18~19Brixと高く、酸含量は0.5~0.7g/100mlで食味はさわやかである。裂果や脱粒はほとんど認められず、棚持ちは良い。
- 成熟期は育成地の山梨市で8月中旬であり、「ネオ・マスカット」より2週間程度早く、「巨峰」とほぼ同時期である。
- 試験醸造を行った結果、ラブラスカ香を有する白ワインとなった。
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成果の活用面・留意点 |
全国のぶどう栽培地帯での露地栽培は可能であるが、酸抜けの遅いことを考慮して、北海道及び本州の寒冷地を除く地帯での普及が見込まれる。棚持ちが良いため、観光園にも適する系統と考えられる。栽培上の留意点として、若木のうちに樹冠を早く拡大し、樹勢を早く落ち着けることが重要である。また、黄緑色の品種のため収穫期の把握が難しいが、糖度18%以上、糖酸比30以上を目安として、果皮色が黄色がかった時期に収穫するのが良い。防除は「巨峰」と同様の薬剤散布で問題となる病害虫は認められない。なお、「美嶺」に対するジベレリン水溶剤の適用拡大を申請中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
新品種
品種
ぶどう
防除
薬剤
良食味
ワイン
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