茶園の環境負荷軽減のための潅水チューブによる樹冠下液肥施用技術

タイトル 茶園の環境負荷軽減のための潅水チューブによる樹冠下液肥施用技術
担当機関 三重県農業技術センター茶業センター
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 茶園から溶出される肥料による環境負荷を軽減するため、溶脱量の多い4~7月に、潅水チューブを用いて樹冠下へ液肥を施用することによって、肥料利用効率を高め、品質と収量を維持することができる。
背景・ねらい 茶は品質向上のために比較的多肥で栽培されている。茶樹への肥料は3~6月と9月に多く施用され、分解された成分は、4~7月及び9~10月に溶脱や亜酸化窒素ガスとなって多くが系外へ流出する。そのために環境への負荷が危惧されている。
そこで、化成肥料施用の多い4~7月に、肥料成分の少ない樹冠下を利用して、肥料利用効率が向上できるように、簡易で安価な方法として、旱ばつ時には水供給に利用できる潅水チューブを使って、液肥を樹冠下に施用する技術を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 潅水チューブを樹冠下へ、1うねに2本セットすることで、液肥を樹冠下のほぼ全域に施用できる。高低差のあるほ場では耐圧式の点滴潅水チューブを用いる(図1)。
  2. 黒ボク土壌では、液肥の窒素濃度を1,500ppmで、うねの長さ1m当たり2の10a当たり約1,100の液量で、一番茶生育期に1週間間隔で3回、二番茶生育期には2回程度で、土壌溶液中の窒素濃度は50ppm前後に保つことができる(表1、図2)。
  3. 従来の化成追肥方法と比べて施肥窒素量は約40%減少できる(表1)。
  4. 品質と収量をほぼ維持することができる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 水量の確保が困難なところでは雨水を利用して、降雨前後に液肥を高濃度少量施用する方法で所定の濃度に上げることができる。
  2. 液肥追肥区のうね間の窒素濃度が6月下旬頃から急激に低下するため、樹勢と翌年の収量の低下が予想される。そこで、うね間に持続性のある肥料の追肥をする必要がある(図2)。
  3. 土壌中の窒素濃度は土壌条件によって異なるので、液肥の濃度や液量については検討する必要がある。
  4. 化成品のチューブは野鼠などにより噛まれる恐れがある。
図表1 215492-1.gif
図表2 215492-2.gif
図表3 215492-3.gif
図表4 215492-4.gif
カテゴリ 肥料 施肥 施用技術

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