換水脱塩方式による漬物工場の用水利用の合理化

タイトル 換水脱塩方式による漬物工場の用水利用の合理化
担当機関 埼玉県工業技術センター
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 塩蔵野菜原料の脱塩を流水脱塩方式から換水脱塩方式(1~3時間のサイクルで自動的に換水)に変えることにより、脱塩用水量を1/3~1/10程度に削減できる。自動脱塩装置を用いると、任意の塩分濃度に調整することが可能となる。
背景・ねらい 漬物製造業の用水の約33%は、塩蔵野菜原料の脱塩に用いられており、特に酢漬や醤油漬業種ではその割合が高い。一方、脱塩用水以外に洗浄水や殺菌水なども多く使用されているが、製品の品質上の問題がありこれ以上の節水は望めない状況にある。従って、用水事情が厳しい中漬物製造業において節水を行うには、まず脱塩用水を削減することが最も重要であると考え、塩蔵ラッキョウについて、流水方式と1~3時間程度のサイクルで自動的に行う換水方式との比較並びに脱塩に及ぼす温度の影響について検討すると共に自動脱塩装置の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 流水法及び換水法により塩蔵ラッキョウ(食塩約20%)の脱塩試験を行った結果、流水法においては流量が大きくなるほど脱塩度は高くなったがその差は小さかった(図1)。
  2. 換水法においても1~3時間の換水時間の脱塩に及ぼす影響は小さかった(図2)。
  3. 脱塩に及ぼす脱塩用水の温度の影響をみた結果、いずれの方法においても脱塩度は温度に比例して高くなったことから、脱塩の速度はラッキョウ内部の食塩の拡散速度に大きく依存するものと思われた(図3)。
  4. 以上のことから、同じ塩分濃度まで脱塩するのに要する水の量は換水法では流水法に比べ約1/3~1/10程度でよいと推定され、換水法を採用することにより脱塩用水を大幅に削減できることが示唆された。
  5. 円筒型脱塩槽に導電率セル、pH調整ポンプ、注排水用電磁弁、電子天秤などを備えた自動脱塩装置(図4)を試作し、図5に示す手順でラッキョウの脱塩を行った結果、任意の塩分で脱塩を終了させることができ、脱塩用水を更に削減できることが示された。
成果の活用面・留意点 本試験は1.5?程度の装置で行ったものであり、実用化するにはスケールアップに伴う種々の問題を解決する必要がある。
図表1 215596-1.gif
図表2 215596-2.gif
図表3 215596-3.gif
図表4 215596-4.gif
図表5 215596-5.gif
カテゴリ らっきょう

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