茶蒸し葉の冷凍による長期保存法

タイトル 茶蒸し葉の冷凍による長期保存法
担当機関 静岡県茶業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 業務用及び一般家庭の食品素材として、茶の利用拡大を図るために、茶の蒸し葉を-30℃で冷凍して長期間保存する方法を開発した。
背景・ねらい 静岡県東部の伊豆、箱根、富士など観光地を控え訪れた観光客や一般家庭の食膳に、茶を野菜感覚で食品素材として利用することにより、有効成分を摂取できることから、添え物、天ぷら、和え物などの素材として幅広く利用する試みがなされている。料理の素材としては、一番茶の若芽がよいことから、鮮度を落とさずに年間を通して利用できる、長期保存方法の開発が求められている。
成果の内容・特徴
  1. 若芽の茶葉を35秒間蒸して冷却した後、ポリエチレン容器に充填して冷凍することによって長期間保存できる。
  2. 蒸し葉の含水率は、長期間保存しても各区76~77%台を保持し、試験開始時とほとんど変らなかった(表1)。
  3. 茶蒸し葉のビタミンCの含有率は、保存期間が経過するに従って減少するが、-30℃の場合は12か月保存してもビタミンCの減少は10%程度で僅かであった(表2)。
  4. 蒸し葉の外観は、-30℃で冷凍保存したものは変色がほとんどなく鮮緑色を保持し、彩りがよく食品素材として優れた。しかし、-15℃で冷凍保存したものは、黄色みまたはやや赤黒みを帯び鮮度を欠いた(表3)。
  5. 茶葉を天ぷらにし、彩りや苦味など食味の総合評価では、-30℃で冷凍保存したものは平均して優れた。パネルの概評は、-30℃で冷凍保存したものは、天ぷらに彩りがよく新鮮で適度な苦味が伴って好評であった。-15℃で冷凍保存した蒸し葉の天ぷらは、苦味が少ない点をプラスに評価するパネルもいた(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 茶葉の蒸し葉をポリエチレン容器に充填し、-30℃で冷凍保存すれば食品素材として鮮度の高い状態のまま蒸し葉を保存することができた。
  2. いったん解凍した蒸し葉は再び冷凍すると品質が低下しやすいので、必要とする量を解凍して使いきるようにする。
カテゴリ 良食味

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