高冷地に適したそば品種「開田早生」とその特性

タイトル 高冷地に適したそば品種「開田早生」とその特性
担当機関 長野県中信農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 そば「開田早生」は「信濃1号」の栽培が不適な長野県木曽地域の標高1,000mを越える地帯での秋そば栽培に適した品種である。生態型は中間型で、開花・成熟期は「しなの夏そば」と「信濃1号」の中間に位置する。
背景・ねらい 長野県木曽地域の高冷畑作地帯(標高1,000~1,200m)では、そばが重要な特産作物のひとつとなっているが、当該地域に適応した奨励品種はなく、採種体制や採種指導もない在来種が栽培されているのが現状である。そのため、この地帯に適したそば品種の選定・育成が求められていた。
平成4年~6年、当該地域に適応した品種の選定を現地圃場で実施したところ、木曽郡開田村の在来早生系統の収量性が安定して高く、この地域に最も適していると判断された。そこで、この在来種を母材とした高冷地向けそば品種の選抜をすすめるとともに、その特性を調査した。
成果の内容・特徴
  1. 「開田早生」は平成元年に長野県木曽郡開田村より入手した在来種(早生系統)を、中信農業試験場内圃場(平成2年から4年までの3年間)及び開田村現地(平成5年以降)で隔離栽培し、開花・成熟期、生育、倒伏、着粒の点から不良個体を除去する方法で選抜を行ったそば品種である。主要な特性は母材とした在来種と同じで、選抜第5世代以降の系統を「開田早生」とし、普及に移す予定である(試験して得られた技術事項)。
  2. 草丈及び主茎長は「信濃1号」よりやや短く、主茎節数及び第1次分枝数は「信濃1号」と同等~やや少ない。
  3. 花色は白、果皮色は濃褐で、子実千粒重は「信濃1号」よりやや小さい。
  4. 生態型は中間型で、開花・成熟期は「しなの夏そば」と「信濃1号」の中間に位置し、秋そばとしての栽培に適している。
  5. 子実収量は、中信農業試験場(標高740m)においては「信濃1号」とほぼ同等、木曽郡開田村(標高1,180m)においては「しなの夏そば」に比べ高く、年次変動も小さい。
成果の活用面・留意点
  1. 普及地域は、奨励品種(「信濃1号」・「しなの夏そば」・「信州大そば」)の栽培が不適な長野県木曽地域の標高1,000mを越える地帯(開田村等)である。
  2. 栽培法については、平成6年度関東東海農業研究成果情報「高冷地特産ソバの安定多収栽培技術」を参考にされたい。
  3. 種子の管理は当面、中信農業試験場で行うが、将来的には、中信農業試験場の指導に基づき、開田村での採種体制を整える予定である。
図表1 215684-1.gif
図表2 215684-2.gif
カテゴリ そば 多収栽培技術 品種

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