臭気低減化のための産卵鷄への低蛋白飼料と適正除ふん間隔の効果

タイトル 臭気低減化のための産卵鷄への低蛋白飼料と適正除ふん間隔の効果
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1998
要約 飼料中のCP(粗蛋白)レベルが高いほど鷄ふんからのアンモニア発生は高い濃度を示し、CP18%とCP16%の間に差がみられた。除ふんを7日間行わない人工気象室ではCPレベルが高い方が低級脂肪酸及び硫黄化合物の濃度が高かった。また、高温期でも3日以内の除ふんで鶏舎内のアンモニア濃度の上昇はかなり抑制できる。
背景・ねらい 都市化に伴い鶏ふんからの悪臭が周辺住民から大きな問題とされている。ふん中窒素からのアンモニア臭や、低級脂肪酸、硫黄化合物等種々の悪臭の発生を少なくすることが、今後都市の中で養鶏経営が共存していく緊急の課題である。
そこで、アミノ酸を添加した低蛋白飼料の給与が臭気に及ぼす影響を人工気象室の高温中温環境下とポット試験(100リットルビニール袋法)で検討した。
成果の内容・特徴
  1. 人工気象室での産卵前期の飼料中CPレベルが臭気物質濃度に与える影響
    35週齢の産卵鶏を用い、CP18%及びCP16%の飼料を給与して、最高温度19℃の快適環境温(19℃区)と最高温度33℃の高温環境温度(33℃区)で試験を実施した。また、試験期間中の除ふんは行わなかった。
    • (1) 飼料中のCPレベルとアンモニア濃度の関係は、5日目以降に数ppmの差が見られ、CPレベルの高い方が高いアンモニア濃度を示した。(図1)
    • (2) 高温下7日目の低級脂肪酸及び硫黄化合物の濃度は、各物質ともCPレベルの高い方がやゝ高くなり、硫黄化合物の一種である硫化メチルはCPレベルが高い方が約5倍高くなった。(表1)
    • (3) 環境温度別にアンモニア濃度の推移を見ると、19℃の温度域では7日たった段階でもアンモニア濃度は5ppm程度の上昇で、5日目までは1ppm程度であった。33℃の暑熱時では、4日目からアンモニア濃度の上昇が始まり、5日目では10ppmとなり、その後急激なアンモニア濃度の上昇を示し、特にCPレベルの高い方が顕著であった。(図1)
  2. 自然環境(夏季)での飼料中CPレベルが臭気物質濃度に与える影響
    61週齢の産卵鶏を用い、飼料のCPを18%、16%及び14%とし、1日分の新鮮ふんをサンプルに100リットルビニール袋法で発生する臭気物質濃度を測定した。約200gの新鮮鷄ふんをバットに採取し、室温30℃の室内に23時間放置した。その後、100リットルのビニール袋にバットを移し、約100リットルの外気を密封し、1時間後にサンプルガスを採取した。
    • (1) アンモニア濃度は飼料中のCPレベルが高い程高い濃度を示し、CP18%とCP16%の差は有意ではないが、200ppm強あった。しかし、CP16%とCP14%の差は小さかった。(表2)
    • (2) 硫黄化合物の硫化メチルは、CPレベルが高いほど低い濃度となったが、有意な差ではなかった。(表2)
成果の活用面・留意点 飼料中のCPレベルとアンモニア濃度は関係しており、CP低下により発生の抑制が示唆され、期別給与やアミノ酸バランスを考えた低蛋白飼料給与により鶏舎内臭気濃度の低減化が可能である。
最高気温33℃の高温期でも、除ふん後3日後までは大きな発生量とはならないので、高温期は3日以内の除ふんで鶏舎内のアンモニア濃度の上昇はかなり抑制できると思われる。
図表1 215727-1.gif
図表2 215727-2.gif
図表3 215727-3.gif
カテゴリ 経営管理 除ふん

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