タイトル |
多年生雑草ワルナスビのトウモロコシ栽培圃場における拡散動向 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
多年生外来雑草ワルナスビが種子及び根片繁殖した場合、その根部は水平方向にはあまり伸長しないものの地中深くまで伸長し、作土層の根群がロータリ耕耘により切断、攪乱されることにより地上茎の分布域も圃場全面に広がっていく。
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背景・ねらい |
多年生雑草ワルナスビの圃場への初期の侵入は、主に輸入飼料に混入した種子によるものと考えられ、一旦、圃場に定着すると防除が非常に困難である。また、近年、砕土・整地の容易さからプラウ耕よりロータリによる耕耘が主体となっており、このロータリ耕耘が多年生雑草の圃場内での拡散に大きく寄与していることが推察される。そこで、トウモロコシ畑におけるワルナスビの拡散動向を地上部と地下部から調査し今後の防除対策の資料にする。
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成果の内容・特徴 |
- 圃場に侵入したワルナスビの種子は土壌処理剤を施用しても出芽率に差はなく、出芽から60日目までは主茎長の伸長に抑制効果が認められるものの、その後は土壌処理剤無施用と同様な伸長を示す(表1)。
- 種子および根片繁殖したワルナスビの根部は水平方向にはあまり伸長しないものの、土壌処理剤を施用してもトウモロコシ栽培期間内に土中垂直方向に伸長し、種子繁殖では約45cm、根片繁殖(根片長:10cm)では土中約1m以上の深さにまで伸長する(図1)。
- ワルナスビはトウモロコシ播種後、土壌処理剤を施用した場合でも、根片(3本、10cm)から根を土中深くまで伸長させ、作土層の根部は2年目のトウモロコシ栽培前にロータリで切断、撹乱されることにより、本調査では約20本の地上茎が発生した。同様に3年目には地上茎の数が220本、さらに4年目には900本以上にもなった(図2)。このように、一旦、ワルナスビが圃場に侵入すると根部は土中深くまで伸長し、地上茎の分布域も爆発的に広がっていく。
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成果の活用面・留意点 |
- ワルナスビの拡散動向調査から、今後の防除対策の資料として活用する。
- ワルナスビ発生圃場を耕耘後は根片を他の圃場に持ち込まないように十分に注意することが必要である。
- ワルナスビは種子および根片繁殖とも、土壌処理剤の効果は全く期待できない。今後、プラウ耕の活用、非選択性除草剤を含めた茎葉処理剤の利用を検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
雑草
除草剤
とうもろこし
土壌処理
なす
播種
繁殖性改善
防除
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