農家の庭先でできる粗飼料中の硝酸態窒素濃度簡易測定法

タイトル 農家の庭先でできる粗飼料中の硝酸態窒素濃度簡易測定法
担当機関 静岡県畜産試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 家庭用クッキングミキサーを抽出液採取に用い、粗飼料中の硝酸態窒素濃度を小型反射式光度計で簡易に測定する方法を確立した。その結果、粗飼料中の硝酸態窒素濃度を農家の庭先で即時に測定できるようになった。
背景・ねらい 糞尿過剰施用の畑で栽培された飼料作物は硝酸態窒素濃度が高いことが知られているが、輸入乾草の一部にも硝酸態窒素を高濃度に含むものが散見されることが判っており、牛への影響が懸念されている。硝酸塩中毒予防の第一歩は、給与する粗飼料の硝酸態窒素濃度を把握することであり、新しくサイロを開ける時や購入乾草が入荷した時すぐにチェックすることが有効である。よって農家自身が庭先でもできる簡易な測定法の確立が望まれている。
成果の内容・特徴
  1. 家庭用クッキングミキサーを用いて抽出液を得る方法を検討した。希釈倍率が乾物換算で50倍以下になると測定値が低くなる傾向が見られた。また、ミキサーの粉砕攪拌能力から希釈水量は500ml程度が適当と考えた。その結果、材料は3cm程度にカットしたものを用い、乾草の場合10g、中高水分サイレージ20g、低水分サイレージ(60%以下)10gをサンプル量とし、希釈水量はそれぞれ490ml、480ml、490mlとした。
  2. ミキシング時間を変えて抽出液を採取し、小型反射式光度計で測定した結果、乾草、サイレージともに2分間で回収率がほぼ安定した。また、ミキシング後の静置時間の違いによる測定値は、ミキシング直後も30分後もほとんど変化はなかった。ろ過作業を省略するため粉砕物と液状部とが分離した後(90秒)、スポイトで直接抽出液を採取することとした。なお採取位置の違いにより測定値の変動は確認されなかった。
  3. 簡易測定法とイオンクロマト法による測定値と比較した結果、生産現場で活用するのに充分な精度を有していることが判った。(表1、図1・図2)
  4. 簡易測定法の測定手順は、材料を3cm程度にカット→材料を秤量→ミキサーに水とサンプルを入れ、2分間ミキシング→1分30秒静置→液状部よりスポイトで抽出液を採取→小型反射式光度計で測定→測定値を換算:硝酸態窒素換算値(0.226)×希釈倍率
成果の活用面・留意点
  1. 簡便にできるので、より実践的な測定法として農家の硝酸塩中毒の対策に活用できる。
  2. 希釈水は水道水で良いが、あらかじめ水自体の硝酸態窒素濃度を確認する必要がある。
図表1 215739-1.gif
図表2 215739-2.gif
図表3 215739-3.gif
カテゴリ 簡易測定 飼料作物

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