タイトル |
中山間地におけるロールベールサイレージ体系の省力化 |
担当機関 |
岐阜県肉用牛試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
中山間地域の、高冷地、急傾斜地の条件で、良質で安定した粗飼料生産と省 力化のための機械化体系が必要である。従来のダイレクトサイレージ体系とロールベールサイレージ体系の作業時間の比較と、さらに大型、中型のロールベール作業時間の比較を行い、ロールベールサイレージ体系は作業が短時間で少人数になり、省力化できた。
|
背景・ねらい |
飼料生産は天候に左右され、粗飼料の品質劣化、収穫ロス等の問題があり、良質で安定した粗飼料生産と省力化のための機械化体系が重要である。そのために効率的なロールベール利用が普及されているが、その作業時間について十分明確にされていない、高冷地(標高750~850m、H9年次平均気温8.8℃)、急傾斜地(傾斜度5°~10°平均7.8°)での作業時間を従来のダイレクトカット体系、中型・大型のロールベール体系の作業時間を比較する。
|
成果の内容・特徴 |
- 傾斜地におけるロールベールサイレージ体系と従来のダイレクトサイレージ体系のサイレージ調製の時間を比較すると、前者では7.66時間/haと後者の12.33時間/haに比べて約38%の短縮が可能である。(表1、表2)
- 傾斜度5°~10°(平均7.8°)での中型ロールベールサイレージの調製時間は12.96時間/haであり、傾斜度8゜~9゜(平均8.5゜)の大型ロールベールサイレージの調製時間7.66時間/haと、中型はロールの個数が多くなるために約1.7倍の時間を要した。それは梱包、積込・運搬、包装、収納に時間が必要なためである。
- 以上のことから大・中型ロールベールサイレージ体系において5~10゜の傾斜地での作業性は、従来のダイレクトサイレージ体系より少人数で作業ができ、またサイレージ調製作業時間は大型より中型が時間は多く要することがわかる。しかし、作業性は小回りの利くコンパクトな中型が扱い易く、ロールサイレージ給与でも小さい分取り扱いが容易であり、中山間地域の中小規模の肉用牛繁殖経営では、中型、小型ロールベールサイレージ体系の利用は有効であると思われる。
- 活用面:肉用牛繁殖農家が、共同または個人で、中型、小型ロールベールを導入活用する際の参考になる。
-
|
成果の活用面・留意点 |
- 活用面:肉用牛繁殖農家が、共同または個人で、中型、小型ロールベールを導入活用する際の参考になる。
- 留意点:急傾斜地でのロールの排出は、傾斜角度5゜以上になると排出時の惰力が加わり、傾斜地を転がり落ちる可能性が高くなる。そこで傾斜面に直角方向から傾斜上方向にロールの平面、円面を考慮し、排出方向を見定めて、比較的安全な場所へ移動してロールを排出する必要がある。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
機械化体系
経営管理
傾斜地
省力化
中山間地域
肉牛
繁殖性改善
|